最新記事

ビジネス

日本企業の「DX」の立役者が、意外にも「紙の本」からの情報収集を大事に考える理由

2022年11月26日(土)16時29分
flier編集部
高橋隆史氏

高橋 隆史氏(本人提供)

<経営に必要なことはすべて『銀河英雄伝説』から学んだ──。ブレインパッド社長の高橋隆史氏が教える「未来を先取りする」読書術>

「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」というミッションをもとに企業のDX推進を支援するリーディングカンパニー、株式会社ブレインパッド。代表取締役社長を務める高橋隆史さんは大の読書家であり、社内でも本からの学びを広めているそうです。

トレンドを先取りし、新しい知恵をインプットしていくために実践していることとは何なのか? 高橋さんが経営において影響を受けた本をお聞きします。

※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です。

データ活用率はたった3%、企業のDXをトータルに支援する

── 株式会社ブレインパッドについて改めて紹介をお願いできますか。

現在はあらゆる企業がデジタルに向き合い、活用していくことが必要となるDX時代です。データが爆発的に増えるなか、あらゆる産業の巨大企業もベンチャー企業も、データを大きな経営資源と捉えてビジネスにとりいれています。実際、顧客との接点がデジタル化されたことで、多種多様なデータがとれるようになりました。そうした環境に自社のビジネスをどう適用させていくか。それがDXの本質だと考えています。

ところが現在、日本企業におけるデータの活用率は約3%といわれています。さまざまな要因はありますが、経営層がデータ活用の重要性を認識できていないケースや、データを活用できる人材が不足しているケースもあります。このように、データ活用の伸びしろが大きいなか、企業におけるデータ活用の広義のデザインから、システムへの実装、そしてオペレーション改善のPDCAまでトータルに担えることが、当社の強みだと思っています。

── 高橋さんは大の読書家で、社内でも社員におすすめの本を紹介しているとお聞きしました。どんな試みか教えていただけますか。

以前はブレインパッドの新入社員向けに輪読会を開いて、私自身が影響を受けた本やビジネスに役立った本を紹介していました。若手社員たちに、技術の専門書だけでなくビジネス書全般にもふれてもらい、幅広い視野を養ってほしいと考えたためです。

いまは形を変えて、2020年10月からオンラインで私が会社の未来や戦略を話しつつ、社員が気軽に質問を投げかけられる時間を設けています。大学で学生が教授に質問できる「オフィスアワー」になぞって、「オンラインオフィスアワー」と名づけました。

オンラインオフィスアワーを始めたきっかけは、コロナ禍になって社員との接点が極端に減ったこと。オンライン会議だけでは社員の生の声を聴けないことに危機感をおぼえました。もっと経営と現場の距離を近づけたいと考えたのです。この時間のなかで、私のおすすめの本も社員に紹介しています。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 7
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 8
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 9
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中