最新記事

株式

ザッカーバーグ、メタ株26%下落で約3.3兆円の個人資産を失う

2022年2月4日(金)13時22分
メタ・プラットフォームズのマーク・ザッカーバーグCEO

3日の米国株式市場では、メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)が急落し、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO、写真)の個人資産額が290億ドル減少した。2019年10月撮影(2022年 ロイター/Erin Scott)

3日の米国株式市場では、メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)が急落し、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)の個人資産額が290億ドル減少した。一方、好調な決算を発表した米アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス会長は保有株の評価益が200億ドル増えるとみられ、IT業界の2人の資産家が明暗を分けた。

メタは26%下落し、時価総額は2000億ドル余り消失した。リフィニティブのデータによると、米企業が1日で失った時価総額としては過去最大となった。同社の業績見通しに対する失望感から売りが膨らんだ。

米経済誌フォーブスによると、ザッカーバーグ氏の資産額は850億ドルに減少した。同氏はメタ株の約12.8%を保有している。

リフィニティブのデータによると、アマゾン創業者のベゾス氏は同社株の約9.9%を保有。フォーブスの世界長者番付で3位に立つ。

アマゾンが3日発表した2021年第4・四半期決算は、利益がほぼ倍増し、市場予想を上回った。また、輸送コストや賃金の拡大を相殺するため、米国のプライム年会費を17%引き上げると発表した。引け後の時間外取引で、株価は15%上昇。4日の通常取引で2009年10月以来の上昇率を付ける見込みとなった。

フォーブスによると、ベゾス氏の個人資産額は21年に57%増えて1770億ドルとなった。アマゾンは新型コロナウイルス禍による巣ごもり特需の恩恵を受けてきた。

ザッカーバーグ氏が1日で失った資産額は史上最大規模で、米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスクCEOが昨年11月に記録した350億ドルに迫る。世界一の富豪であるマスク氏がツイッター上で、保有するテスラ株の10%を売却すべきかどうかの投票を呼び掛けたことがきっかけだった。株価はこの投票以降に下げた分をまだ取り戻していない。

3日の資産額減少を受け、フォーブスが集計するリアルタイム世界長者番付でザッカーバーグ氏は12位となった。

ただ、米ハイテク株は、高インフレや利上げ観測を完全に織り込むのが難しい状況下で、振れやすい展開が続いている。メタも近い将来に持ち直す可能性があり、ザッカーバーグ氏は実現損を出さずに済むかもしれない。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・コロナ感染で男性器の「サイズが縮小」との報告が相次ぐ、「一生このまま」と医師
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・日本のコロナ療養が羨ましい!無料で大量の食料支援に感動の声
・コーギー犬をバールで殺害 中国当局がコロナ対策で...批判噴出


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米加首脳が電話会談、トランプ氏「生産的」 カーニー

ワールド

鉱物協定巡る米の要求に変化、判断は時期尚早=ゼレン

ワールド

国際援助金減少で食糧難5800万人 国連世界食糧計

ビジネス

米国株式市場=続落、関税巡るインフレ懸念高まる テ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジェールからも追放される中国人
  • 3
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中国・河南省で見つかった「異常な」埋葬文化
  • 4
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 5
    なぜANAは、手荷物カウンターの待ち時間を最大50分か…
  • 6
    アルコール依存症を克服して「人生がカラフルなこと…
  • 7
    不屈のウクライナ、失ったクルスクの代わりにベルゴ…
  • 8
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 9
    最悪失明...目の健康を脅かす「2型糖尿病」が若い世…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 6
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 7
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 8
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 9
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中