温暖化対策で企業が出張削減 対応迫られる航空業界
企業や法人向け旅行代理店は、機種や経路、座席クラスといった要因に基づいて航空機利用に伴う排出量を測定するためのツールに相当の投資を行っている。
「出張をバッサリ減らすといった乱暴なアプローチを採用する企業が多いとは思えない。それでは収益に響いてしまうから」と語るのは、アメリカンエクスプレス・グローバル・ビジネス・トラベルで持続可能性担当バイスプレジデントを務めるノラ・ロベル・マーチャント氏。「だが、出張する人自身が判断できるように、透明性を求める声が増えているのは確かだ」
グローバルな格付け機関であるS&Pは、2025年までに出張に伴う排出量の25%削減を計画している。同社でグローバル規模の出張業務を統括するアン・デリー氏は先月、CAPAセンター・フォー・アビエーションが主催したイベントで、S&Pの社員によるビジネスクラス利用のうち42%が社内会議目的だったと述べている。
航空会社も「グリーン」をめざす
米国の航空会社ジェットブルーは、今後2-3年以内に、ニューヨーク発着のフライトで用いるジェット燃料の約30%を、持続可能性のあるものに切り替えることを計画している。
「もちろん企業は、気候変動の問題に積極的に取り組んでいきたいと考えるだろう」とジェットブルーのロビン・ヘイズ最高経営責任者(CEO)はボストンにおける航空業界の会合の舞台裏で語った。「だが、出張をやめないでもそうした取組みを進める道はあるだろうと私たちは考えている」
先週の会合で航空各社が定めた二酸化炭素排出量の削減目標は、持続可能性の高い航空燃料の利用を現在の0.1%未満から65%にまで引き上げることや、新たなエンジン技術の採用に期待をかけるものだ。
「航空業界が2050年までに二酸化炭素排出量の『ネットゼロ』実現をめざすなら、今回の会合に参加したすべての航空会社がそれぞれの役割を果たさなければならない」と語るのは、ニュージーランド航空 のグレッグ・フォーランCEO。「航空会社だけではない。燃料サプライヤーも、各国政府も含まれる。最終的には、顧客も変化を受け入れなくてはならない」
(翻訳:エァクレーレン)
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