ワクチン休暇は有給か、無給か? 中小企業が導入する場合は...
ワクチン休暇は、このようにワクチン接種に対してためらいを感じている社員が接種に踏み切るきっかけとなる存在になり得ます。会社が休暇制度を設けてくれているという安心感から、社員の会社に対する信頼感が増し、仕事へのモチベーションアップへつながるというメリットも期待されています。
(2)余裕を持ってワクチン接種へ臨むことができる
ワクチン接種については、各地で大規模接種会場の設置が相次ぐなど、接種がスムーズに行われるための対策が取られています。それでも、接種会場の混雑具合や接種後の安静時間など、実際に行ってみないことには接種にかかる時間が読めないという状況になることが予想されます。
しかし、あらかじめワクチン休暇を取得していることで、社員はその休暇日をワクチン接種のために空けることが可能になるため、安心して接種を受けることができます。また、休暇によって普段ならば仕事で不可能な時間帯に接種を受けることが可能になるため、密を避けながら安心して接種できるという利点もあるでしょう。
(3)副反応への不安解消へつながる
特に2回目のワクチン接種の後は、腕の痛みや倦怠感などの体調不良に悩まされるというケースが取りざたされています。もしも接種後に体調不良になったらどうしよう、と不安にかられる社員も少なからずいることでしょう。
ワクチン休暇の導入により、体調不良の場合は休暇を取る事ができれば、落ち着いて回復までの期間を過ごすことが可能になり、スムーズな仕事復帰へつなげることができます。
(4)中小企業向けの支援策を活用できる
大企業と比較すると休暇制度の体制整備が遅れがちの中小企業の場合、ワクチン休暇制度の導入は興味はあれど敷居が高いとされてしまうことも現状です。
そこで、東京都では、ワクチン休暇の整備に取り組む中小企業に対し、無料で社会保険労務士等の専門家を派遣する取り組みを打ち出しています。各都道府県の先駆けとなるこのような制度を活用しながら、効率良く休暇制度の導入をする方法も検討すると良いでしょう。また、東京都以外の企業の場合は、社内の制度を整えるために行政の相談窓口を利用する方法も効果的です。
中小企業のワクチン休暇導入デメリットとは
ワクチン休暇については新しい制度になるため、最近導入を開始した企業があるとはいえ前例がほとんどない状態で各企業は制度を整える必要があります。
特に規模の小さい中小企業の場合、休暇制度自体が整備されていないケースもあることから、整備のための時間や手間をかける必要がある点に注意をしなければなりません。
具体的には、自社の状況の洗い出しから行い、特別休暇制度が設けられていない場合は慶弔休暇や年末年始、お盆休暇などの他の福利厚生制度の導入も検討しながら詳細を決定していくことになります。