最新記事

税制

GAFA、各国の最低法人税率めぐるG7課税合意で恩恵 デジタル税撤廃する方向へ

2021年6月8日(火)09時30分
GAFA各社のロゴ

各国共通の最低法人税率を巡る主要7カ国(G7)財務相会合での合意がデジタルサービス税の撤廃につながれば、米ハイテク大手が恩恵を享受するとの見方が出ている(2021年 ロイター)

各国共通の最低法人税率を巡る主要7カ国(G7)財務相会合での合意がデジタルサービス税の撤廃につながれば、米ハイテク大手が恩恵を享受するとの見方が出ている。

G7財務相会合は5日、グーグルやアップル、アマゾン・ドット・コムといった巨大な多国籍企業への課税を強化するため、各国共通の最低法人税率を15%以上とすることで合意した。すべての企業に新たな国際課税ルールを適用する一方、各国ごとに課しているデジタルサービス税および関連する類似措置を撤廃する方向で適切な調整を行うという。

フェイスブックやグーグル、ツイッターが加盟しているコンピュータ・情報産業協会(CCIA)のプレジデント、マシュー・シュラーズ氏は、最低法人税率を巡るG7の合意によってデジタルサービス課税が撤廃されることが期待され、「各社はこのような国際税制に関する協議を支持している」と述べた。

一方、フェイスブックやグーグルが加盟する業界団体「ネットチョイス」のプレジデント、スティーブ・デルビアンコ氏は「増税は消費者のコスト増につながり、研究開発費の削減を意味する。ただ同時に政権や議会は中国との競争に向け研究開発の強化を求めている」と指摘。「15%の税率は上限でなく下限であり、欧州各国が米企業に打撃を与えるために新たなデジタルサービス税を制定したり、独占禁止法を適用したりすることを止めることはできないだろう」とした。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

独クリスマス市襲撃、容疑者に反イスラム言動 難民対

ワールド

シリア暫定政府、国防相に元反体制派司令官を任命 外

ワールド

アングル:肥満症治療薬、他の疾患治療の契機に 米で

ビジネス

日鉄、ホワイトハウスが「不当な影響力」と米当局に書
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:アサド政権崩壊
特集:アサド政権崩壊
2024年12月24日号(12/17発売)

アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 2
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    【駐日ジョージア大使・特別寄稿】ジョージアでは今、何が起きているのか?...伝えておきたい2つのこと
  • 4
    「私が主役!」と、他人を見下すような態度に批判殺…
  • 5
    「たったの10分間でもいい」ランニングをムリなく継続…
  • 6
    トランプ、ウクライナ支援継続で「戦況逆転」の可能…
  • 7
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 8
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達し…
  • 9
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 10
    映画界に「究極のシナモンロール男」現る...お疲れモ…
  • 1
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 2
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 3
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達した...ここまで来るのに40年以上の歳月を要した
  • 4
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 7
    ウクライナ「ATACMS」攻撃を受けたロシア国内の航空…
  • 8
    【クイズ】アメリカにとって最大の貿易相手はどこの…
  • 9
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「…
  • 10
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 4
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 5
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 8
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 9
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 10
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中