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米中対立バイデン、中国59社への投資禁止 トランプ政権の大統領令修正
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バイデン米政権は3日、防衛や監視技術分野に関連すると見なされる中国企業59社の上場証券を米企業が売買することを禁止する新たな大統領令を発令した。政権高官が述べた(2021年 ロイター/Aly Song)
バイデン米大統領は3日、防衛や監視技術分野に関連すると見なされる中国企業59社の上場証券について、米企業が売買することを禁止する新たな大統領令に署名した。
この禁止リストは国防総省の投資禁止リストに代わるもので、財務省が実施し順次更新する。8月2日から施行される。
バイデン氏は大統領令で、米国の投資が中国の軍事・産業構造のほか、諜報活動や安全保障に関する調査などの支援に回らないようにするためと表明。中国が抑圧と深刻な人権侵害に監視技術を利用していることは「異例、かつ異常な脅威」となっているとの見解を示した。
国防総省の投資禁止リストに掲載されていた主要企業は、新たなリストにも掲載。国航空工業集団(AVIC)、中国移動(チャイナモバイル)、中国海洋石油集団(CNOOC)のほか、監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ) 、半導体メーカーの中芯国際集成電路製造(SMIC)などが引き続き対象となった。
一方、中国商用飛機有限責任公司(COMAC)や、位置情報サービスなどを手掛けるルオクン・テクノロジーなどは、新たなリストに掲載されていない。
政府高官によると、新たな大統領令はトランプ前政権時代の同様の禁止令を法的により健全にするためのもので、「米国民が中国の軍産複合体に資金を提供しないようにする」という政権の意図を示しているほか、禁止リストに中国の監視技術企業が含まれたことで、前回の禁止令よりも対象範囲が拡大したという。
高官は「今後数カ月以内に新たな大統領令の対象となる企業が追加されるだろう」と述べた。
また、財務省は監視技術の具体的な内容について指針を示す方針で、企業が抑圧や深刻な人権侵害を助長しているかどうかなどを判断するという。
別の高官は、対象となる中国企業への投資家には投資解消に向けた猶予が与えられると説明。米投資家は8月2日の禁止措置施行から1年以内に保有資産を売却する必要がある。
国土安全保障省の元職員、スチュワート・ベイカー氏は、財務省の「落ち着いた規制と法的体制」の方が、国防総省よりも禁止措置実施に適していると指摘。「バイデン政権は、トランプ前大統領は原則的には正しかったが、やり方が間違っており、それを修正するとしてきた方針に沿った対応だ」と述べた。
![トムソンロイター・ジャパン](/stories/2018/05/22/save/710x28Reuters.gif)
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