最新記事

アメリカ経済

バイデン、米予算教書発表 「ギグワーカー」の権利強化に支出増やす

2021年5月31日(月)09時39分
バイデン米大統領

バイデン米大統領は28日に発表した、2022会計年度(21年10月〜22年9月)の予算教書で、労働省の賃金・労働時間部門への予算を増やそうとしている。バージニア州ハンプトンで撮影(2021年 ロイター/Ken Cedeno)

バイデン米大統領は28日に発表した、2022会計年度(21年10月〜22年9月)の予算教書で、労働省の賃金・労働時間部門への予算を増やそうとしている。この部門では、単発で仕事を請け負う「ギグワーカー」が、独立請負人と誤って区分され、各種手当てが受けられないケースがないかを調査している。

予算教書では、政権が「従業員を独立請負人と誤って区分する悪い慣行を終わらせることに全力に取り組む。この慣行はこれら労働者から非常に重要な保護や手当を奪う」と説明。「より強力な執行」のための予算が盛り込まれるとしている。

22年度の賃金・労働時間部門への支出は、20年度実績比18%増、21年度の見込み分比14%増となっている。

トランプ前政権下でこの部門はおおむね無視されていた。同部門の予算は20年度が1.3%増、21年度は1.7%増と提案された。

同部門では、契約労働者が正しく区分されているか、また従業員と区分された労働者に与えられる、残業手当や最低賃金といった、完全な福利厚生を受け損なっていないかを調査している。 ウォルシュ米労働長官は4月末にロイター通信に対し、米国ではギグワーカーの多くが、各種手当てを受けられる「従業員」に分類されるべきだと発言。この政策変更は配車大手ウーバー・テクノロジーズやリフトなど、ギグワーカーに依存する企業のコスト増につながる公算が大きい。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

豪政府、25年度の国債発行予定額引き上げ 予算案受

ビジネス

英FCA、金融機関のリスクテークへの姿勢見直しへ 

ビジネス

訂正企業向けサービス価格、2月は3%上昇 人件費な

ビジネス

英GSK、帯状疱疹ワクチンの認知症リスク低下効果を
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取締役会はマスクCEOを辞めさせろ」
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 5
    「トランプが変えた世界」を30年前に描いていた...あ…
  • 6
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 7
    トランプ批判で入国拒否も?...米空港で広がる「スマ…
  • 8
    老化を遅らせる食事法...細胞を大掃除する「断続的フ…
  • 9
    【クイズ】アメリカで「ネズミが大量発生している」…
  • 10
    「悪循環」中国の飲食店に大倒産時代が到来...デフレ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 7
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 10
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中