ロビンフッドでシネコンオーナーも夢じゃない!? 世界では10代の投資家も活躍
今年2月、世界を驚かせたゲームストップ株とロビンフッド Brendan McDermid - reuters
<かつては専門家だけのものだった株の世界だったが、アメリカや韓国ではお年玉や小遣いをアプリで運用する子どもも>
昨年から続く新型コロナウイルスの感染拡大防止の巣ごもり生活で、逆に活発になったと言われるものの一つが「株式投資」と言われている。特に、スマホ1つあれば簡単に始められる「株取引アプリ」は注目を浴び、なかでもスタンフォード大学の大学生が創立したというベンチャー企業のアプリ「Robinhood」は、筆者の住むここアメリカで大きな人気を博している。
と、ここまではネット検索すれば誰でも10秒で知ることのできる情報である。実際、筆者のスマホの中には現時点で「Robinhood」アプリはダウンロードされていない。株取引のアプリどころか、株の「か」の字もよくわかっていないまったくの素人だ。
ところが今年の2月、そんな筆者にも興味深いニュースが耳に入ってきた。Robinhoodがゲーム販売会社である「ゲームストップ」と、アメリカの4大映画館チェーンの一つAMCシアターズ率いる「AMCエンターテインメント・ホールディングス」の株の小口購入を認めると発表したのだ。
筆者は株のことは知らないが、社会人になって映画業界ひと筋で生きてきた。もちろんそういう人生を選んできたのは、もともと大の映画ファンであるからである。もし、これを機に「AMCエンターテインメント・ホールディングス」の株を買ったなら、簡単に夢のアメリカ映画館の株主になれるではないか。
しかし、ちょっと待て。株式投資と言われると、なぜか「ギャンブル」「借金地獄」というネガティブな単語が頭に浮かぶのはなぜだろう。
昭和と令和ではこんなに違う! 学校で教える「株取引」
記憶の糸をひも解いていくと、行き着いたのは小学校の「公民」の授業だ。初めて社会の仕組みを習う時間で、担任の先生は「絶対に簡単に手を出すものじゃない。一部の人以外儲けなどない。みんな借金地獄だぞ」と教室の生徒を怖がらせた。筆者も幼心に「一生株なんか手を出すものか」と固く誓ったものだ。
ところが時代は変り、「株式投資」は「資産運用」と呼ばれるようになった。2022年から日本の高校家庭科の授業で「投資信託」の授業が始まることが発表された。
カリキュラムを見てみると、これまでのように「社会の仕組み」として習うのではなく、実際に投資とお金の授業が始まるという。
家庭科と言えば、調理実習やエプロン/巾着など裁縫の授業を思い出す昭和生まれとしては、「株式投資」が社会の授業ではなく、家庭科の授業に組み込まれる部分も大いに興味深い。投資はそれだけ家庭の一部として定着したということだろうか。
ちなみに10代を対象とした投資に関する情報について調べてみたところ、なんと、最近では10代前半の子供向けに投資や金融について、本や漫画で分りやすく説明されたものが数多く出版されている。
それだけではない。中高生を対象とした投資体験プロジェクトや、中高大学生がチームで500万円の仮想投資をし、値動きをチェックしたレポートを競うコンテスト「日経STOCKリーグ」というものまで存在する。