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仮想通貨E.マスク、ビットコインによるテスラ車購入を停止 「マイニングによる環境負荷を懸念」
米電気自動車(EV)メーカー、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、暗号資産(仮想通貨)のビットコインを使ったテスラ車購入を停止したとツイートした。写真はビットコインのイメージ。1月撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)
米電気自動車(EV)メーカー、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は12日、暗号資産(仮想通貨)のビットコインを使ったテスラ車購入を停止したとツイートした。
ビットコインのマイニング(採掘)で使用される化石燃料に関する懸念が理由とした。
ツイートを受け、ビットコインは急落し、一時3月上旬以来の安値を付けた。テスラは2月、ビットコインに約15億ドル投資したと明らかにし、その際、ビットコインは約20%急騰していた。
マスク氏は、テスラがビットコインを売却することはなく、マイニングがより持続可能なエネルギーに移行し次第、ビットコインを決済に使用する意向だとした。
また、ビットコイン取引にかかるエネルギーの1%未満の使用で済む他の仮想通貨にも着目していると述べた。
マスク氏は3月、テスラ車の購入にビットコインの利用が可能になったと表明していた。
ビットコインは、処理速度の速い高性能のコンピューターで複雑な数学的パズルを解くことで作成される。エネルギー集約型のプロセスで、現在は石炭など化石燃料を使用した電力に依存している場合が多い。
ケンブリッジ大学と国際エネルギー機関(IEA)が発表した最新のデータによると、こうしたビットコインのマイニングが消費する年間のエネルギーは現在のペースでは、オランダの2019年の消費量と同水準になるという。
オズモーシス・インベストメント・マネジメントのベン・ディア最高経営責任者(CEO)は2月、テスラのビットコイン保有が明らかになった直後に「ビットコインのマイニングから生じる二酸化炭素の排出量について非常に懸念している」と述べ、テスラ車購入でのビットコインの利用に疑問を呈していた。
オズモーシスはサステナブル投資を手掛け、運用資産は約22億ドル。複数のポートフォリオでテスラ株を保有している。
OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は12日、マスク氏はサステナビリティー(持続可能性)を重視する投資家に先行していると指摘。「ビットコイン採掘による環境への影響は、暗号資産市場全体にとって最大のリスクの一つだが、ビットコインがアルゼンチンやノルウェーよりも多くの電力を使用しているというニュースは過去数カ月にわたり無視されてきた」と語った。
また、ペッパーストーン(メルボルン)の調査責任者、クリス・ウェストン氏は、マスク氏の今回の対応はビットコインにとって打撃となるが、同通貨がもたらす排出量を認めるものだと指摘。「テスラは環境に優しいイメージがあるが、ビットコインは明らかにそれとは正反対だ」と述べた。
マスク氏は、デジタル通貨を強く支持する一方で、クリーンなテクノロジーも提唱している。
マスク氏は「仮想通貨は多くの面で良いアイデアであり、有望な未来があると信じているが、環境に大きな犠牲を払うことになってはならない」と語った。
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