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中国主導のAIIB、コロナワクチン配布に融資 総融資額は昨年並みに

2021年1月13日(水)17時55分

中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の金立群総裁は、他の開発銀行にならって、新型コロナウイルスのワクチン配布に必要な資金を融資する方針を示した。北京で2020年7月撮影(2021年 ロイター/Tingshu Wang)

中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の金立群総裁は13日、他の開発銀行にならって、新型コロナウイルスのワクチン配布に必要な資金を融資する方針を示した。

今年の融資総額が昨年並みになるとの見通しも示した。

総裁は北京で会見し「世界銀行やアジア開発銀行(ADB)はワクチン(購入向け)の融資に資源を配分している。これは極めて重要なことであり、AIIBも同様の措置を取る」と発言。詳細な計画には触れなかった。

世銀は昨年10月、途上国の新型コロナのワクチン購入・配布、検査、治療について120億ドルの支援を承認。ADBも、昨年12月にワクチン調達を支援する90億ドルの融資枠を設けた。

総裁は、今年のAIIBの融資総額が昨年並みになるとの見通しも示した。昨年は政府・民間の新型コロナ対策を支援するため、総額130億ドルの資金枠を設けた。

ロイターの算出によると、AIIBは昨年、45件・総額99億6000万ドルの融資を承認した。

総裁は、新型コロナの流行を受けて、特に医療分野の「社会インフラ」の重要性が浮き彫りになったとし、引き続きこうした分野への投資を進めると述べた。詳細は明らかにしなかった。

AIIBのスタッフは数百人で、他の開発銀行と比べて少ないが、新型コロナの収束後に人材の採用を強化し、行内の能力を高める方針という。

[ロイター]


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