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日経500種平均株価が史上最高値更新 サービス業中心「スガノミクス」で一層優位か

2020年9月28日(月)18時34分

日経平均と日経500の構成銘柄について、サービス業に分類された銘柄数を比較すると、日経平均が12銘柄に対し、日経500は任天堂<7974.T>やオリエンタルランド<4661.T>など53銘柄に上る。

リブラの佐久間氏は、日経500について、自社の運用においては注目していないとしながらも、「日本株市場の実態を最も正確に反映している指数ではないか」との見方を示した。

デジタル化でさらに高パフォーマンスも

日経500をドルベースで見ると、さらに好パフォーマンスが際立つ。2017年10月に史上最高値を付けた後、現在も最高値を更新し続けており、現在はバブル時より3割以上高い水準にある。

通常、株価はドル建てで見ているというコムジェストのケイ氏は、「日経500は世界の主要株価指数の中でも素晴らしいパフォーマンスと言える。その株価チャートはまさに、十分な手間をかけて日本企業に投資をすれば、米S&P総合500種<.SPX>を上回るパフォーマンスをあげられるということの証左だ」と語った。

またリブラの佐久間氏は、今回日経500が円建てでも最高値を更新したことは、「自動車や電機といった輸出関連株、つまりドル高・円安メリット株がけん引する市場ではなく、円安でない環境下でも利益を伸ばせる収益構造の会社がけん引する市場に変わったことを示す」と述べた。

佐久間氏は、そのうえで「菅政権下で期待されているデジタル化や規制改革が今後進めば、サービス業のウエートが高い日経500の優位は一層鮮明になるのではないか」と指摘。同指数が主要指数をアウトパフォームする構図は今後も継続するとの見方を示している。


植竹知子(編集:伊賀大記、内田慎一)

[ロイター]


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