「コロナ収束前のGoToは税金の無駄、消費減税は効果薄」原田前日銀議委員
2020年8月4日(火)06時05分
日銀対応で株安や円高を抑制
他方で日銀による財政支援や資金供給などの効果については、円高や株安がリーマン・ショック時と比べてある程度抑制されていることもあり、評価してよいとの認識を示した。
中央銀行と財政との距離の取り方を問題にする論調もある中で、原田氏は「日銀による長期国債の買い入れ額はほとんど増えてない。一方で、CPや社債といった民間資産の買い入れは増えている。政府との距離感を問題にする人がいるならば、(日銀と)民間の距離感を問題にしたらどうかと思う」と指摘。「私自身はこの局面では民間資産の買い入れは仕方がないと思っている。これだけの大不況下、必要な財政・金融措置を取らないことで失業率が上昇し、自殺者が増えるような状況を作ってはならない」との考えを示した。
さらに景気を刺激する段階になった場合、日銀のとり得る選択肢として「少し景気が回復に向かうのであれば、 金利が上がるかもしれない。その場合はもう少し買い入れを増やした方がいいだろう」と指摘。そのほかに「マイナス金利の深掘りもあるし、付利の引き下げもあるだろう」との見方を示した。
(中川泉 木原麗花)
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