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日本経済2次補正予算が成立、中小・個人事業者の家賃支援など柱 10兆円の巨額予備費が課題に
2020年度第2次補正予算案が12日の参院本会議で、共産党を除く各党の賛成多数で可決・成立した。写真は都内で2016年7月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)
2020年度第2次補正予算案が12日の参院本会議で、共産党を除く各党の賛成多数で可決・成立した。一般会計の歳出総額は31兆9114億円で必要な財源は国債発行で賄う。中小・個人事業者への家賃支援や地方自治体への臨時交付金の増額などが柱。10兆円の予備費について、国会審議を経ない予備費として巨額過ぎると野党が批判、麻生太郎財務相は約5兆円分の大まかな使途を財政演説で示した。
2次補正予算の規模は、1次補正(25.6兆円)を上回る。中小・零細事業者を対象に家賃の3分の2を国が負担する制度を創設し、最大600万円を給付するほか、雇用調整助成金の日額上限を8330円から1万5000円に引き上げる。
内閣の裁量で使える予備費が1次補正の1.5兆円から急増し、国会審議を踏まえる財政民主主義に反すると野党が批判。10兆円のうち約1兆円が雇用維持や生活支援、約2兆円が中小企業の事業継続、約2兆円が医療体制強化に使われる見通し。
2次補正成立を受け、今国会は予定通り17日に閉会となる見通し。公明党の山口那津男代表は9日、「国会を閉じたあと、閉会中審査ができないようでは予備費の使い道について政府に白紙委任するのと同じだ」と述べ、必要に応じて閉会中審査を行うべきとの意向を示している。
(竹本能文)
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