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金融投資家不安を示すVIX指数が75.47に急伸 金融危機以降で最高に
米株式市場が新型コロナウイルスに対する懸念で大幅下落する中、投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)が急伸し、金融危機以降で最高と水準となった。ニューヨーク証券取引所で撮影(2020年 ロイター/Brendan McDermid)
米株式市場が新型コロナウイルスに対する懸念で大幅下落する中、投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)が急伸し、金融危機以降で最高と水準となった。
12日のVIX指数は21ポイント以上上昇し、75.47で終了。2008年11月以来の高水準となった。1日としては過去最高の上昇を記録した。
ロイトホルト・グループの最高投資ストラテジスト、ジム・ポールセン氏は「新型コロナの問題の1つは、誰も何も知らないということだ」とし「全く前例がなく、様々な場所で情報が氾濫し錯そうしている」と述べた。
VIX指数は今年初め、長期平均を下回る12で取引されていた。新型ウイルスが発生した当初は小幅な上昇にとどまっていたが、2月下旬に20を超えた。
VIX指数急騰の背景には、米国が金融・財政政策を通じて感染拡大の影響を効果的に抑制できるのか、という市場の懸念があるとみられる。
VIX指数同様、VIX指数先物も、期近物と期先物の双方が上昇。感染拡大とその影響がいつまで続くのか、市場の懸念が強まっていることが浮き彫りとなっている。
VIX指数先物は2週間以上前から、期近物が期先物を上回る逆転現象が続いている。一部の投資家は売りがピークを過ぎた可能性を示唆していると指摘するが、市場の混乱は収まっていない。
EABインベストメント・グループのストラテジスト、アーニム・ホルツァー氏は「市場関係者はこれが1ー2四半期の問題なのか、1ー2年の問題なのか、見極めようとしている」と述べた。
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