最新記事

貿易戦争

トランプ、仏のGAFA課税導入に反発「マクロンの愚行に対応、仏産ワインへ課税」

2019年7月27日(土)09時11分

トランプ米大統領は26日、フランスに対し近く「大規模な」対応策を講じるとし、フランス産ワインに対し新たに課税する可能性があると警告した(2019年 ロイター/Leah Millis)

トランプ米大統領は26日、フランスに対し近く「大規模な」対応策を講じるとし、フランス産ワインに対し新たに課税する可能性があると警告した。仏政府が米ハイテク企業を対象にデジタル課税を導入すると発表したことに反発した。

トランプ大統領はツイッターへの投稿で「米ハイテク企業への課税は、本国である米国がすべきだ。米国は近く、マクロン仏大統領の愚行に対応する大規模な措置を発表する」とし、「アメリカのワインの方がフランスのワインよりも質が良いといつも言ってきている!」と述べた。

その後、ホワイトハウスで記者団に対し、デジタル課税に関する決定は誤りと強調。フランスがデジタル課税を導入すれば米国は仏産ワインに課税する方針だと伝えたとした上で、米国の対応策は間もなく発表されるとした。

米国はフランスのワインおよび蒸留酒の輸出先として最大国。2018年のフランスの米国向けワイン輸出額は32億ユーロ(36億ドル)とワイン輸出全体の約4分の1を占めている。

トランプ大統領は先週、フランスが計画するデジタル課税導入に対する懸念をマクロン大統領に表明していた。

ホワイトハウスのディア報道官は、仏政府の決定に「実に失望している」とし、「米政府は全ての政策手段を検討している」と述べた。

フランスのルメール経済財務相はトランプ氏の投稿後の声明で、「デジタル活動に対する普遍的な課税はわれわれ全員に関係する課題だ。先進7カ国(G7)および経済協力開発機構(OECD)の枠組みの中で(デジタル課税に関する)合意に達することを望む一方、フランスは自国の決定を進めていく」と述べた。

[ワシントン 26日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20250204issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月4日号(1月28日発売)は「トランプ革命」特集。大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で、世界はこう変わる


※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

フジ・メディアHD、業績下方修正 フジテレビの広告

ビジネス

武田薬、通期の営業益3440億円に上方修正 市場予

ビジネス

ドイツ銀行、第4四半期は予想以上の減益 コスト削減

ビジネス

キヤノン、メディカル事業で1651億円減損 前12
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 3
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? 専門家たちの見解
  • 4
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 7
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 8
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 9
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 10
    フジテレビ局員の「公益通報」だったのか...スポーツ…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 9
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 10
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 7
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 8
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 9
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中