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アルゼンチン貧困率を非公開にしたキルチネル政権の言い訳
統計に欠陥がある、貧困層を数えるのは差別的など、政府決定の愚か度
無視も同然 「見えない存在」になったブエノスアイレスの貧困層 Enrique Marcarian-REUTERS
国家が貧困層の数を把握せずに、どうやって貧困問題に取り組めるというのだろうか。アルゼンチン政府は昨年から貧困率の公表を止めてしまったが、最近公表されたその理由が何とも煮え切らない。
「貧困層がどのくらい存在するか、というのはかなり込み入った問題だ」と、キシロフ経済財務相は先日ラジオ番組で語った。「私は貧困者の数を知らない。貧困率というのは、汚名を着せる方法に思える」
アルゼンチンでは昨年、「統計方法論的な欠陥がある」ことを理由に貧困率の年次統計を公開しないとの決定が、こっそりとなされていた。
それはアルゼンチンの貧困率が上昇中という試算が出て、政府の公式統計がいっそう信じ難くなってきた時期と重なる。12年の貧困率について、公式発表の5・4%に対し本当は24・5%だと英エコノミスト誌が報じたのも、1年前のことだ。本当の貧困率が表に出れば「貧困層の味方」というキルチネル政権のイメージは地に落ちる、と同誌は指摘した。
政権に批判的な地元紙は、本当の汚名は貧困そのものではなく、貧困の削減に政府が失敗したことだと憤る。
野党の上院議員アーネスト・サンスもこうツイートした。「貧困率のデータを隠蔽することは、貧困層を貧しいままにし、目に見えない存在にする。それこそ最悪の汚名だ」
From thediplomat.com
[2015年4月14日号掲載]