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エアライン乗ってはいけないアメリカン航空
経営再建中のアメリカン航空の地域会社で「乗務員のケンカでフライトが4時間遅れ」の不祥事が発生。安全運航どころじゃない?
悪循環 かつて世界最大手だったアメリカン航空も今は客離れがひどい Frank Polich-Reuters
アメリカンイーグル航空のフライトでとんでもない不祥事が起きた。9月19日、ニューヨークのケネディ国際空港の滑走路を走り出した飛行機の中で、客室乗務員同士のけんかが勃発。パイロットは搭乗ゲートまで戻り、わずか1時間のフライトの間、仲たがいせず仕事に専念できる乗務員を探す羽目になった。
乗客がニューヨーク・デイリー・ニューズ紙に語ったところでは、問題のけんかは、15時発のワシントン行きの便が搭乗ゲートを離れた時に起きた。
きっかけは、ある客室乗務員が携帯電話を切らなかったことだという。別の乗務員が「フライト中は、全員が電話や電子機器などの電源を切らなければなりません。乗務員も例外ではありません」とアナウンスしたにもかかわらず、だ。
目撃した人々がNBCに語ったところでは、アナウンスの直後、一方の乗務員がもう一人の乗務員がまったく協力してくれないと非難した。口論がかなり激しくなったので、パイロットは飛行機を方向転換させて引き返した。
「乗務員が協力して働くことができないので搭乗ゲートに戻ります、とのお知らせがあった」と、乗客のダン・アレクサンダーはNBCニューヨークに語った。「1時間程度のフライトで、乗務員が仲良くできないなんて、とても信じられない」。結局、代わりの乗務員を手配するまで乗客は4時間も待たされた。
経営の苦しいアメリカンイーグル航空にとって、悪評がたつのは大きな打撃だ。同社はアメリカン航空の地域運行会社だが、ちょうど事件前日の19日、ウォール・ストリート・ジャーナルに航空コラムニストのスコット・マッカートニーが「アメリカン航空は信頼できないから乗るべきではない」との記事を書いていた。
アメリカン航空は昨年11月、連邦破産法第11条の適用を申請して破綻した。経営再建のため給与削減やフライトの外部委託を増やし、パイロットの雇用条件を切り下げたりして、従業員から激しい反発を食っている最中。出勤日に仮病で休んだり、機体の些細な不調を理由に離陸しないなどのサボタージュもあるようだ(労働組合は否定)。
17日の運行状況をみると、予定通りに到着した便は39%、到着予定を45分以上も過ぎるという著しい遅れが出た便は29%に上った。フライトキャンセル率は5.8%。USエアウェイズやデルタ航空はおろか、格安航空のジェットブルーなどと比べても落ちる数字だ。
こうした混乱の巻き添えをくった乗客は大事な会議に遅れたり、旅行の計画が狂ったり大きな損害を被る。そのせいで客が離れていけば、社員も自らの首を絞めることになるのだが。