それでも海底油田をやめられない国々
中国:国営の中国海洋石油総公司(CNOOC)は05年、米石油企業ユノカルを買収しようとしたが、米議会などの強い反発を受けて買収を断念。それでも国内では独占的な海底油田掘削権を保持し、この分野を支配している。CNOOCはBPの流出事故後に安全対策を強化したとするが、同時に海底油田開発も強化している。
ガーナ:新しい安全規制によって掘削費用は7%上昇したと見られるが、海底油田開発は進められている。
カザフスタン:カスピ海北東部には、世界の油田開発地帯の中でも有数の脆弱な生態系が存在する。政府もカシャガン油田などでは生態系を保護すべく警戒を強めているが、掘削の縮小・中止などは求めていない。
リビア:BPの掘削事業が行われているほかの国々と同じく同社に対して質問を行ったものの、新たな制限は課していない。エネルギー当局者はBPに安全性の確保を求める一方、海底油田開発の続行を認めている。
ナイジェリア:原油産地ニジェールデルタにおける操業について規制を強化しているが、操業中止の恐れはない。
ノルウェー:流出事故への対応をめぐり、政府高官は公然と対立している。しかしノルウェー石油監督局のトップは、海底油田開発を制限する理由はないと語っている。
ロシア:ウラジーミル・プーチン首相は先週、米シェブロンと露石油大手ロスネフチに対し、黒海における10億ドルの油田掘削共同事業を許可した。
Reprinted with permission from "The Oil and the Glory", 23/6/2010. © 2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.