株価暴落の引き金を引いた真犯人
最近のトレーダーの多くはもっぱら、株価が上がれば買い下がれば売るという「モメンタム(勢い)」戦略に頼っている。市場の潮目が少しでも変わったら、その瞬間に大量の売り注文や買い注文を出すようコンピューターに指示してある。
外界から隔離されて自分たちの声だけが増幅される反響室のようになった市場が些細な雑音にも凄まじい勢いで反応するようになれば、経済記者が株価の動きを説明するのはますます難しくなる。5月6日の暴落の明らかな教訓の一つは、経済ニュース製造機の力不足だ。
理解不能な市場の動きに対し何より迅速な説明を求められる経済記者は、単に市場の振れ幅を増幅しているだけだ。通常の経済記事では乱高下の原因として経済記者の役割が取り上げられることはほとんどないが、長期的にはどんな説明よりはるかに懸念すべき問題かもしれない。
*The Big Money特約
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