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アメリカ経済

サプリ業界が不況期に伸びる3つの理由

2009年11月2日(月)17時25分
ダニエル・グロス(ビジネス担当)

減量用サプリ売り上げは9.8%アップ

 しかも、快進撃のペースはさらに加速しているようだ。ニュートリション・ビジネス・ジャーナルによれば、08年の減量用サプリメントの売上は前年比の6.2%増。今年はさらに5.8%伸びる見込みだ。

 サプリメントの製造・流通・販売を手がける大手ネイチャーズ・バウンティーも、今年第2四半期の減量用サプリメントの売り上げは9.8%アップ。442店舗をもつチェーン店、ビタミン・ワールドを有する同社は、堅調に業績を伸ばしており、この2年間の株価はS&P500社の平均を大きく上回っている。また、大手サプリメントチェーンのGNCも確実に売り上げを伸ばしている。

 02年に未公開株の投資家集団に買収されたビタミン・ショップは、ネイチャーズ・バウンティーやGNCほどの規模ではないものの、ライバルを追い上げており、経営状態は良好だ。07年以降、事業規模を縮小する小売り業が多いなかで、ビタミン・ショップは急速に店舗数を拡大している。

 05~08年に新たに171店舗をオープンさせ、売り上げは4億3650万ドルから6億150万ドルへと38%伸びた。チェーン展開している小売業の業績測定によく使われる既存店売上高も、06~08年にかけて年6%以上増加。今年上半期の既存店売上高は4.7%増で、営業利益は9.5%アップしている。

 企業にとっては厳しい戦いが予想されるクリスマス商戦もいよいよ目前。こうなったら、他分野の小売業者もサプリメントショップを訪れるといい。うまくすれば、元気の素を分けてもらえるかもしれないし、少なくとも鬱に効く西洋オトギリソウをまとめ買いできるチャンスではある。

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