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北朝鮮 変化の胎動
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指導者の後継選びは最終局面に
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脅しつつも「対話」路線に走る理由
軍事演習の傍らで和平を目指す姿勢を示し、道徳的に優位に立とうとしている
北朝鮮は最近、好戦的な発言を繰り返している。7月の米韓合同軍事演習に対しては「報復的な聖なる戦争」も辞さないとの声明を発表した。3月の韓国哨戒艦沈没事件でアメリカと韓国から非難されて以来、こうした脅し文句を連発している。
だがこうした強硬姿勢とは裏腹に、北朝鮮は対話を実現させようと必死になっているように見える。沈没事件の直後は、李明博(イ・ミョンバク)大統領が政権にいる間は決して韓国と交渉しないと北朝鮮は明言していた。その脅しも忘れてしまったらしい。威嚇を続けながらも、和平合意の締結と核兵器の放棄に向け「不断の努力をする」などと言っている。
北朝鮮がこれほど態度を軟化させることは珍しい。なぜこのタイミングなのか。1つには、金正日(キム・ジョンイル)総書記が後継者選びのさなかに危機を望んでいないとの見方がある。一方、交渉のための策略だとみる向きもある。隣で軍事演習が行われているときに自国は平和を望んでいることを強調して、道徳的に優位に立とうとしているというわけだ。
とはいえ、米韓両国は北朝鮮がきちんと行動を起こすまで交渉しても意味がないと主張している。8月には追加制裁と別の軍事演習が予定されている。金正日の甘い言葉は長続きしないかもしれない。
[2010年8月11日号掲載]