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「和」の凄さは外国人の匠に聞け!
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遊び心と品質でネイルアート大国に
パン・メイ・リン(ネイルアーティスト)
ベトナムで「日本のネイルアートのカリスマは」といえば、パン・メイ・リン(28)。04年に大阪の専門学校で学び帰国した後、ネイルアーティストとして雑誌やテレビで活躍する一方、ホーチミン市で日本流ネイルアートの学校「ケリー・パン」を経営する。04年に生徒20〜30人を相手に始めた同校だが、今では教師45名と800人近い生徒をかかえる。本誌・佐伯直美が話を聞いた。
----ベトナムでは昔からネイルアートが盛んだった?
全然。3、4年前に日本のネイルが入ってきて大勢の女性が学びたがるようになった。学校を開いたのもそんな要望が多かったから。
----でもネイルはもともと日本の文化じゃない。どこが特別なのか。
何よりデザインがステキ。(先進国とされる)アメリカのネイルは爪を強化するためのもので、デザイン面はあまり発達していない。その点、日本は数えきれないほどスタイルがあって色も豊富。デザインを楽しんでいるところが全然違う。タイも色は豊富だけど、トーンが少し暗くてデザインもちょっと変。日本のはもっとロマンチックで、お姫様みたいな気分になれる。
----デザイン以外では?
日本はとにかくディテールと品質に細心の注意を払う。スピード重視のアメリカでは30分で作業を終える必要があるものでも、日本では2時間、3時間かけていい。その代わり、ディテールと品質は完璧を求められる。私は(日米のやり方を)ミックスして、早くて質も高いネイルを作れると思う。つけ爪の部分はアメリカ式の張るだけのチップを使って時間を短縮し、コーティングやデザインには時間をかけるとか。
----教えているのは日本のスタイル?
基本はそうだけど、他国の新しいスタイルやテクニックも取り入れる。どんどん新しいデザインを出さないと生徒が来なくなるから。少し前にはバラのネイルデザインを学びに中国へ行った。ある特定のスタイルは日本のものよりキレイ。7月に授業用にデザインした最新作では、中国スタイルのバラに日本の色使いをミックスした。
----これから挑戦したいことは?
ほかの日本文化も紹介したい。今は学校でデコ携帯の作り方も教えている。プリザーブドフラワーも今から勉強したい。
[2008年10月15日号掲載]