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和紙に未知の世界が透けて見えた

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2010.08.06

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和紙に未知の世界が透けて見えた

ロギール・アウテンボーガルト(「梼原和紙&紙漉体験民宿 かみこや」代表)

2010年8月6日(金)12時03分

伝統の継承 オリジナルの手漉き和紙を創作しながら、学校での体験授業やワークショップも手がけるアウテンボーガルト Courtesy of Rogier Uitenboogaart

 07年には「土佐の匠」にも選ばれた高知県の手すき和紙工芸家ロギール・アウテンボーガルトは、地元の原料を使った手作りの和紙にこだわり続ける。


「オランダで装丁や製本の仕事をしていたころ、雲竜という和紙で装丁した本に出合った。透明感があり、紙の中の繊維が透けて雲のようだった。

 欧米では道具で紙の表面に特徴をつけるものだが、その和紙は繊維の個性や質感が生かされていた。見ていると紙自体の面白さだけでなく、それを作った人々の暮らしや自然とのかかわり方まで伝わってきて、オランダとはまったく違う世界があると感じた。

 130年前の日本には紙すき屋が10万軒近くあったともいわれ、各地で個性的な紙が作られていた。今は300軒ほどに減ったが、欧州では全域で50軒くらいだから、それに比べれば今も世界一。

 欧米の美術館でもアジア絵画の修復には必ず和紙を使う。一時は(材料に使う鉄から)さびが出たり不評だった時期もあったが、改良が進んで今はかなりよくなったよ」

[2008年10月15日号掲載]

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