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柳井正、小沢一郎、二宮和也まで
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草間彌生(1929-)
「幻覚からくる水玉だとかそれを絵にしちゃうわけ」
[1997年8月6日号の掲載記事を2006年2月1日号にて再録]
60年代のアート界をにぎわせ、アンディ・ウォーホルをしのぐ人気と言われたアウトサイダー・アーティストの草間彌生。再び作品が脚光を浴びはじめた草間に、本誌・糸井恵が東京で話を聞いた。幼いころから強迫観念に悩まされていた草間は、「集積(アキュミュレーション)」という分野を開拓。今なお斬新な作品で話題を振りまいている。
----長いキャリアのなかで作品はどう変わってきたのか。
変わってないの。幻覚からくる水玉だとか、網だとかいうもの。それを絵にしちゃうわけ。私は点やぽちぽちを描いたり、裁断するのが好きで、それをただ美術のほうにデベロップしたわけ。
----以前「この病気をもつことを幸運に思う」と言ったが......。
あまり常識的な人間でなかったということですね。病気で、常識がなくていいから、芸術がすべてに先行するわけです。
----代表作の1つ『セックス・オブセッション』シリーズは、どうやって生まれたのか。
セックス恐怖症ね。セックスは汚いっていう教育を受けて育ったから。ソファとかいろんなものをペニスで包んでしまうわけ。嫌だと思うもので包むことで、かえって恐怖心を癒やすことになるの。
----あなたにとって名声の意味は?
名声がないと、絵が捨てられちゃったり、ちぎって売られたり、ろくなことにならない。名声があると、人が作品を大事にしてくれる。作品を守るという意味で大事なんです。