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コペンハーゲン会議
への道
CO2削減と経済成長のせめぎあい
ポスト京都議定書の行方は?
オーストラリア発、CO2削減大作戦
温暖化対策の最後の一手であるCCSの商業化をめざす世界機関を設立せよ
私の政権は07年12月に発足し、まず京都議定書を批准した。重要な問題だとはわかっていたが、数日後にバリ島で開かれた気候変動に関する国連会議に出席すると、その反応の大きさに驚かされた。
温室効果ガス削減の枠組み作りに向けた議論は行き詰まりかけていた。オーストラリアの批准が状況打破のカギになる----参加者のそんな期待があれほど高まっているとは予想していなかった。
バリ会議はロードマップの採択にこぎつけた。オーストラリアは京都議定書への参加こそ遅かったが、09年にデンマークのコペンハーゲンで開催される国連サミットに向けて、とくに炭素回収・貯留技術(CCS)の開発では先頭を走ろうと決意している。
最近の報告書によると、温室効果ガスの排出量の増加とそれによる深刻な気候変動は、予想より悪化しているかもしれない。化石燃料による二酸化炭素(CO2)の排出は、温室効果ガスのうち最大で、最も急速に増えている。
世界が低排出エネルギー経済に移行することは不可欠であり、その移行においてオーストラリアはしかるべき責任を果たす覚悟だ。
オーストラリア政府はCCSの開発を世界規模で進める構想を提唱している。CCSは、石炭火力発電所など化石燃料を処理する産業施設の段階でCO2を回収し、大気中に排出させない。回収したCO2は適切な場所に運び、地中に長期的に封じ込める。
このCCSがなぜ重要で、なぜオーストラリアが先導しなければならないのか。世界のエネルギー需要は05〜30年で推定55%増える。再生可能エネルギーの利用も増えているが、化石燃料、とくに石炭は、今後数十年は世界の主要なエネルギー源であり続けるだろう。
世界のエネルギー関連のCO2排出のうち、約40%が発電による。温室効果ガスの排出を世界的に削減する主要なモデルはすべて、削減量のうちかなりの割合をCCSで達成しようと計画している。
世界最大の石炭輸出国
CCSは科学的にも技術的にも実証されており、試験計画や実証プロジェクトも数多く行われているが、商業化された総合的なCCS発電施設はまだ稼働していない。08年7月のG8サミット(主要国首脳会議)では、10年までに世界で20のCCS関連プロジェクトを開始することが宣言された。
オーストラリアはこの計画の推進にふさわしい場所だ。石炭エネルギー経済で、世界最大の石炭輸出国でもある。一方で幅広い研究と実証プロジェクトを通じ、CCSの専門知識をかなり蓄えてきた。CO2の貯留に関しても法体系を整備している。