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「何でも公有」中国を警戒せよ
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©2023 REBEL PEPPER/WANG LIMING FOR NEWSWEEK JAPAN
<発電所、水源そして土地...中国資本は隙間さえあれば民間の名目ですぐ入り込んでくる>
中国がアメリカ上空に飛ばした「スパイ気球」は世界に大注目された。中国政府は民間気象観測用であると主張しているが、信じる人は少ない。同じ頃、ある30代の中国人女性がSNS上で「親族の会社名義で日本の島を購入した」と自慢した投稿が日本で大きな物議を醸した。購入したのは沖縄北部の無人島で、安全保障上の制約がある場所ではないが、女性の背後に中国政府がいるのではないかと人々は疑っている。
その疑いには理由がある。まず公有制国家の中国で、全てのものは国家の財産である。鄧小平時代になってから改革開放政策で住宅は商品化され、個人売買できるようになった。だが土地はあくまで国家に属している。大金を費やして購入しても、所有できるのは最長70年間の使用権だけである。
また改革開放後、国有企業に対して「民営企業」という呼び方も広まった。しかし一党独裁の中国では、国有企業であろうと民営企業であろうと、社内に党支部を設立しないといけない。中国におけるトップIT企業の騰訊(テンセント)は、1998年の設立から5年後の2003年に政府の命令で党支部を設立。いま社内の党支部の数は400に近い。
「資本浸透」も、党が民営企業を支配する方法である。先日、国有資本のバックグラウンドを持つ企業やファンドが、電子商取引大手アリババ・グループ傘下の2社の「黄金股(拒否権付株式)」を取得した。これは中国政府のアリババに対する統制強化を示唆している。
このような手法は海外でも見かける。例えば、大阪市民に注目された大阪南港咲洲メガソーラー(太陽光発電)事業。日本企業が落札したがその後、中国の国有企業である電力会社の日本法人が事業者に加わった。発電所という大事な日本のインフラ施設が、なぜ中国の国有企業によって建設・管理されるのか。
発電所、水源そして土地......。中国資本は隙間さえあれば民間の名目ですぐ入り込んでくる。日本を含めた民主主義の国はもっと警戒心を持つべきではないか。中国は後に『遼寧』に改装した中古空母をウクライナから購入する際、「軍艦として使わない」と約束していたのだ。
ポイント
黄金股
黄金株。株主総会や取締役会で、重要議案を否決できる権利を与えられた特別な株式。拒否権付株式とも言う。敵対的買収防衛策の1つとされる。
遼寧
ソ連時代のウクライナで1988年に『ワリャーグ』として進水。その後、岩壁に放置されていたが、中国が関心を持ち、98年に軍艦として再生しないことを前提にマカオの観光会社に売却された。
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