コラム

お金はただあってもつまらない

2015年11月27日(金)19時12分

 年収1000万円×生活コスト1000万円と、年収300万円×生活コスト100万円。後者は現実的じゃないと批判する人も出てきそうだが、実際、菜央さんのようにタイニーハウスに住んで野菜は近所の農家にいただいて、といったやり方で子供がありながらも超低コストで暮らす人たちは最近たくさん現れてきている。

 測るべきは、お金が多いか少ないかではない。生活とそれにかけるリソースのバランスのほうが重要なのだ。それによって丁寧な暮らしが実現すれば、それで十分という考え方が理解されるようになってきている。チャーリー・チャップリンもこう言っていた。「人生に必要なもの。それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金さ」

プロフィール

佐々木俊尚

フリージャーナリスト。1961年兵庫県生まれ、毎日新聞社で事件記者を務めた後、月刊アスキー編集部を経てフリーに。ITと社会の相互作用と変容をテーマに執筆・講演活動を展開。著書に『レイヤー化する世界』(NHK出版新書)、『キュレーションの時代』(ちくま新書)、『当事者の時代』(光文社新書)、『21世紀の自由論』(NHK出版新書)など多数。

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