コラム

バカげた閣僚人事にも「トランプの賢さ」が見える...今後を占う「6つのポイント」

2024年11月21日(木)15時04分

ある識者はこう指摘する。「見る者が見れば、政界の行事に彼女が影響を及ぼしていることは明白だが目には見えない」。そう、わずかな痕跡が見える程度でいい。公の場で、たいていは後ろに控えている。本人が公式発言をすることはまずない。自分自身についてはもっと語らない。

トランプの最大の弱点は自分自身を御せないこと。しばしば子供じみたことをし、平気で暴言・放言も吐く。そんな男の選挙戦をワイルズは仕切ってきた。ただし国政の運営は選挙戦とは違う。彼女のマジックがホワイトハウスでも効くかどうか。効かなかったら、最悪だ。


2. 口先勝負か政策勝負か?

選挙が終わってすぐ、私はシュールな機会を得た。連邦議会主催のプログラムで、ウクライナの政治代表団と面談したのだ。ロシアとの戦争で血を流しているウクライナ人にとって、トランプの勝利は最悪の事態だと思っていた私は、葬式のような雰囲気を覚悟していた。

しかし違った。彼らは明るく自信に満ちていて、私は啞然とした。

ウクライナ人は、熱烈なトランプ支持者並みのトランプ礼賛を口にした。いわく、ウクライナの領土が奪われたのはトランプ時代ではなく、オバマとバイデンの時代だった。

トランプは最初の4年間で、オバマと(ロシアの侵攻以前の)バイデンを合わせたよりも多くの殺傷兵器をウクライナに供与してくれた......。

プロフィール

サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

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