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コロナ疲れのアメリカ人が求めるバラク・オバマという癒し
オバマは5月16日、黒人のために設立された大学と全国の高校の「バーチャル卒業式」でそれぞれスピーチを行った。この2回のスピーチがトランプを怒らせたことは間違いない。ここでオバマは、現在の指導者たちは指導力を発揮するふりさえしていないと言った。トランプの名前は出さなかったが、誰のことかは一目瞭然だった。さらに「立派な肩書を持つ」指導者たちが、「小さな子供のように(自分にとって)都合のいい」ことばかりしているとも述べた。
アメリカ人はオバマ時代がいかに良かったかを再認識しているところだ。ジョーダンのスーパープレーと同じように、テレビ画面に登場したオバマの姿は思慮深さと公共心、前向きなビジョンを思い起こさせてくれる。一方、トランプは新型コロナウイルスに関する記者会見で、スーパーモデルをどうやって誘惑したかを自慢していた。
オバマは大統領退任の1年後も63%の支持率を誇っていた。トランプの支持率はそれより20%以上低い。政治は比較の世界だ。ジョーダンと同じように、ほとんど並ぶ者なき存在だったオバマの再登場に、トランプは戦々恐々としている。
<2020年6月2日号掲載>
2020年6月2日号(5月25日発売)は「コロナ不況に勝つ 最新ミクロ経済学」特集。行動経済学、オークション、ゲーム理論、ダイナミック・プライシング......生活と資産を守る経済学。不況、品不足、雇用不安はこう乗り切れ。
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