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インバウンド2500万人時代、「食」への対応が日本の課題

日本食は世界一という思い込みが日本にはあるが…… kazuhide isoe/iStock.
<宗教的タブーや菜食主義など、外国人観光客の食のニーズに体系的に対応しなければならない時期に来ている>
日本へのインバウンド観光客が激増しています。京都や鎌倉など観光地では、交通機関の慢性的な混在が発生していますし、羽田など空港の混雑も前代未聞のレベルです。コロナに関する入国規制が撤廃されたことに加えて、そもそも円建てでも安い物価が、1ドル140円台という円安で、ドルなど外貨に換算すると更に安くなる状況が後押ししていると思われます。
その実数ですが、毎月増加傾向にあります。2023年4月の時点では一カ月200万人に迫っており、この分だと年間では2500万人というペースです。ちなみに、コロナ禍前の2018~19年には年間3000万人を超えていたのですが、現在の数字は中国人旅行者が完全に戻っていないなかで、やはり驚異的と言えるでしょう。
そこで気になるのが「食」への対応です。何だかんだ言って、中国人旅行者というのは「食」に関しては「あまり心配のない」集団でした。同じ米飯+麺類+醤油文化圏ということもありますし、食に関するタブーも少ないからです。そう考えると、中国人抜きで2500万人という集団を受け入れつつある現状は、潜在的に問題を抱えていると思います。
まず「食タブー」の問題があります。世界には様々な食のタブーがあります。宗教的にはイスラム教の「ハラール」や、ユダヤ教の「コーシャ」という基準があります。宗派によって異なりますが、かなり厳格に気にするグループがあるのは事実です。また、菜食主義では「ベジタリアン」、より厳格な「ヴィーガン」があります。その一方で、唐辛子など辛いものやカレー風味を苦手とする人向けに「スパイシー」かどうかという概念もあります。生の魚が苦手、豚肉や牛肉など特定の品種の肉を食べない文化もあります。
現在、日本の飲食店ではこうした「食タブー」に配慮したメニュー表記はまだまだ普及していません。実際は、英語などで様々なウェブサイトが口コミ情報を公開しており、多くの外国人旅行者はそうした口コミを頼りに、店やメニューを選んでいるようです。では、問題は起きていないからいいのかというと、そこには巨大な機会損失があると思います。
「食タブー」で選択に悩む客層も
中国人抜きで2500万人というのは大変なボリュームであり、そのなかには確実に「食タブー」のために食事の選択に悩む層があります。この層をマーケットとして取り込むのか、それとも一部の口コミサイトに乗る店にまかせてしまうのか、そこにはビジネスの上で大きな差が生まれると思うのです。
問題は「食タブー」だけではありません。料理の説明や食べ方などを含めたメニューの多国語対応が進んでいません。チェーン店や有名な店では、英語や中国語のサイトを用意しているのですが、日本語サイトを直訳して済ませている場合が多いようです。
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