プレスリリース

【イタリア医学部】山形大学名誉教授・欠畑誠治先生へのインタビュー実施の報告

2025年01月14日(火)10時30分
MED ITALY株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:近藤晋一郎)が運営するイタリア医学部予備校・日本事務局長の梅本は、国内外で急速に人気が高まってきている「イタリア医学部」について、アメリカ・イェール大学でのポスドク経験を持ち、イタリアでも定期的に講習会を行われている山形大学名誉教授の欠畑誠治先生にインタビューを実施しました。
本インタビューでは、「医療におけるグローバル人材の必要性」「イタリア医学部の強み」「欠畑先生とイタリア」の3トピックを通してTEES(経外耳道的内視鏡下耳科手術)にて世界的に活躍されている欠畑誠治先生へのインタビュー(12月1日リリース)を抜粋した記事になります。本インタビューは「医学部に入る2025」(朝日新聞出版)に掲載されました。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/415493/LL_img_415493_1.jpg
山形大学名誉教授・欠畑誠治先生

また動画の一部を抜粋して本記事にも掲載しております。
以下「【欠畑誠治先生】医療のグローバル化と海外医学部の展望」より抜粋。
※以下敬称略


――――― 日本と海外の医師の比較

梅本) 日本の医師とアメリカ・イタリアの医師で、何か異なる特徴を感じられますか?

欠畑) 僕の専門分野である耳の手術についていえば、やっぱり日本人が一番緻密で、アメリカ人とイタリア人はそこまで緻密ではない印象ですが、これは医師の質というよりも国民性の違いによるところが大きいと思います。一方で、新しい手術法を作るということになったら、僕の知る限り一番アグレッシブなのがイタリア人ですね。

梅本) アメリカよりもイタリアなのですか?

欠畑) イタリアは「そこまでやるの?」というくらい新しい手法に対して積極的ですが、アメリカは訴訟社会なので、リスクがあることにはなかなか手を出さないんです。その分「これはイケる」となってからは一気に取り入れるんですけどね。イタリアは新しい道を切り拓くのが得意で、アメリカはその道路を舗装するのが得意、という印象です。


――――― 英語診療の必要性について

梅本) インバウンド需要の増加に伴って、外国人の患者さんも増えているのでしょうか?

欠畑) そうですね。今の職場(川崎)では、東南アジア系をはじめ外国人の患者さんも多く、山形からこちらに来たばかりの頃は驚きました。その中にはもちろん「日本語は全然分からないけど英語ならわかる」という方も大勢いらっしゃるので、そういった方々には英語で診療する必要がありますね。


――――― 英語で医学を学ぶことのメリット・デメリット

梅本) 英語で医学を学ぶことのメリット・デメリットとして感じることはありますか?

欠畑) まず、母国語で学んだ方が腑に落ちやすいということはあると思います。例えば物理学で言えば、『atom』を『原子』と訳すなど適切な訳語を作り出したことが、日本の物理学の進歩を大きく後押しした、なんて話もありますよね。ただ、医学は物理学とは違って「知識をもとに深く考える」のではなく「理解して覚える」というのが主軸なので、日本人が英語で学んでも不便はない、そこは大きなデメリットにならないのかなと思っています。 逆にメリットは、やはり国際学会のような場で困らないことですね。最近は国内の耳鼻咽喉科学会でも、グローバル化を進めるために英語でのディスカッションを実施しています。
多くの日本人医師は、翻訳ツールを使ったり練習を重ねることで英語での発表まではこなせるんですが、ディスカッションとなるとなかなか上手く受け答えができず、そこが課題とされているんですね。そういった点では、やはり最初から英語で医学を学ぶというのは、大きな強みになるんじゃないでしょうか。


――――― イタリアの医学部や医師に対する印象

梅本) 「イタリアの医学部」に対して感じている印象や、メリット・デメリットとして感じていることはありますか?

欠畑) 日本の医師免許は日本でしか通用せず、例えばヨーロッパに行って手術したいと思ってもできないのに対して、イタリアはEU圏内の中であれば通用するライセンスを得られるのがメリットだと思いますね。一定の手順をクリアすれば日本の医師免許も取得できるというのも大きな魅力だと思います。

梅本) 「イタリアの医学部」は入学・進級のハードルが低いと言われていますが、そのことで『卒業生の医師としての質』に対して懸念は抱きますか?

欠畑) 実際に大学で教わる内容は、基本的には日本と一緒なわけですよね。実際にイタリア人医師である友人たちを見ていても「質が低い」と感じたことは一度もなく、むしろ尊敬できる人たちばかりなので、特に懸念を抱くことはないですね。


――――― 医師を志す学生たちに伝えたいこと

梅本) 最後に、これから医師を目指す学生たちに向けて何かひとこといただければと思います。

欠畑) 医師というのは、人の命の全部を任せてもらうわけですから、本当に責任の重い仕事です。そして僕たち医療人の究極の目的は「一人でも多くの人を笑顔にする」ということだと思っています。それぞれの知識や技術を、一人の医師が十人に教え、その十人がさらにそれぞれ十人に教える。それを繰り返していくことで助けられる命が増え、世界中に笑顔の輪が広がります。そのために僕も国内外での講習会をはじめ、後進の育成には力を入れています。世界中の医師と一緒に高め合い、笑顔の輪を広げていくためにも、英語で医学を学ぶことは大きな意味を持つと思います。未来のあなたたちの活躍に期待しています。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/415493/LL_img_415493_4.jpg
太田総合病院・中耳内視鏡手術センターにてインタビュー

【今後の展開】
今回の動画により、MED ITALY株式会社の取り組みをより多くの方々に知っていただくきっかけになればと考えております。当社の理念である「踏み出す一歩が未来を変える」に基づき、引き続きイタリア医学部進学を望む学生への渡航前、渡航後のサポートを一層充実させていこうと考えております。


【会社概要】
MED ITALY株式会社
代表 : 近藤 晋一郎
所在地 : 東京都文京区本郷4-16-6 天翔オフィス8F
事業内容: 予備校運営及びイタリア医学部広報、その他イタリア現地での学生支援
URL : https://kondomeditaly.com/


詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
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