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「手を上げない消極的日本人」の正体とは?(パックン)
子供の頃は積極的だったのに… recep-bg/iStock.
<日本人は消極的なので授業で手を上げない...のではなく教育に問題がある、とパックンが実体験から指摘。学力が先進国下位でも人材豊富なアメリカに見習うべき点とは?>
新学期の季節ですが、ぜひご自分の「小・中・高」時代の教育を少し思い出してください。そこで質問。幼稚園の頃はいつも手を上げていたのに、教育の過程で授業で手を上げなくなった人......はい、手を上げて!
全国各地の講演会で学校を訪れる機会が多い僕だが、数年前に日本の学生の特徴に気付いた。手を上げる度合いは年齢と反比例関係にあるのだ! 幼稚園生はとにかく話したい、参加したい。○○手伝ってくれる人? 〇〇やる人? 〇〇知っている人? なにを聞いても「はい!はい!はい!」とすぐに手が上がる。「知っている人?」と聞いているのに「はい!はい! 知らな~い!」と手を上げる子供も多いぐらいだ。
しかし、学校に通い出すと変わる。小・中・高で徐々に手が上がらなくなる傾向があり、知らないのに知っているふりして手を上げる幼稚園生から、知っているのに知らないふりして手を上げない生徒さんに変身してしまう。さらに残念なのは、本当はやりたいのに「やる!」と手を上げなくなくことだ。
質問機会よりお行儀のよさ?
僕はずっと前から、この教育のいやな帰結に気付いていたが、原因がわからなかった。そしてある日、自分の子供が通う公立小学校の公開日に授業参観をさせてもらった。授業が始まる前に気付いたが、教室の壁に子供の美術や書道の作品などと一緒に、独特なメッセージが書いてあるB4の紙が一枚貼ってある。そこには3つの単語のみが書いてあった。
はい
(立つ)
です
ナニコレ? と不思議に思ったが、授業が始まって5分以内に謎は解けた。
先生が「『三原色』を知っている人?」と聞くと、(父と一緒で幼稚園生精神がずっと残っている)わが子が「はい!」と手を上げた。先生に「ハーラン君どうぞ」と指されると、息子が立つ。そして、椅子の後ろに回り、椅子を机の下に直ししてから「赤・黄色・青です」と答える。そして、また椅子を引いて、回って、座り直した。
これが「はい/(立つ)/です」なのだ!
なるほど。とてもいい学校だし、先生方には常に感謝している。参観日に見た、お行儀よく先生の話を聞いている生徒さんたちの態度もすごいと思った。しかし、聞きたいこと、言いたいことがあっても、「はい/(立つ)/です制度」のめんどくささを考えたら手をあげたくなくなるだろうね。
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