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ニューズウィーク日本版編集部 From the Newsroom
休暇とストレスの悲しい関係
夏の休暇中、一度も仕事のメールチェックをしない! という鉄の意志を持つ人はどのくらいいるのだろう。普段そんなにマメではない私でも、休暇に入って数日経つと少し不安になってくる。......何か大事な連絡が来ていたらどうしよう? いやいや、休暇中だからということで済まされるはず。でも、今メールを見なかったせいで後からかえって面倒なことになったら?――そんなわけで、結局は何回もパソコンを開き、なんだかんだと返信したりちょっとした雑務を済ませたりする羽目に。
どうやらこうした傾向は各国共通なようで、イギリスのある調査機関によるこんな研究がデイリー・テレグラフ紙に紹介されていた。働く人の40%が休暇を終えて「かえってストレスを抱えて仕事に戻っている」と答え、90%が「休暇でたまったメールに返信するのを気に病んでいる」とのこと。さらに80%が「休暇中も頻繁にメールチェックをしたり電話をかけたりしてしまう」そうだ。
テクノロジーの進化でいつでもどこでもアクセスできるせいで、仕事と休暇との切り替えが難しい、と専門家によるお決まりのコメントがこの調査には添えられているけれど、それでは、完全に仕事をシャットアウトすればハッピーな休暇を過ごしてストレスフリーで仕事に戻れるのか?
そうとも言えないらしい。こちらはニューズウィークのサイエンス担当シャロン・ベグリーの記事。人々を休暇中と休暇後で追跡調査した08年のある研究によると、休暇を過ごしている人は「いつも以上に幸せだ」と感じているが、一度上昇した幸福レベルのせいで、かえって日常生活に戻ると憂鬱になってしまうという。さらに04年の調査では、「休暇を過ごした人は、休暇を取っていない人に比べてより不快な気分にはなっていない」という頼もしい結果が出たようだ。
休暇によって幸せを感じられる唯一の例外は、休暇直前の気持ち。これから待ち受ける楽しみへの期待感で、このときが一番幸せを感じられるらしい。
以下、べグリーによると――
友人や同僚を調査した私の「非公式」調査結果によると、休暇を終えて幸せを感じられない理由は次の通り。家までのフライト(寝不足で目が真っ赤)のせい。クレジットカードの明細を見て自分のしてしまったことを思い知るから。仕事に戻らなければいけないため。どこか別の場所にいくべきだったのでは? などと考えてしまうから。レンタカーの後部座席で子供たちがしょっちゅうケンカしていたのを思い出しては疲れ果てるせい。次の休暇は何カ月も先で、おそらく年末までやってきそうもないから。
そんなわけで、べグリーは今年、休暇に出かけるのはやめにしたとか。それでもやっぱり普通は取りたいし楽しみたいのが休暇。仕事のメールも休暇後のストレスも知ったことか、と考えてしまうのも、休暇前特有の高揚感のせいかもしれないけれど。
――編集部・高木由美子
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