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就活生と企業の「ズレ」を解消する、面接の3つのポイント
仕事理解とは、企業の競争優位性から理解すること
1つ目のポイントは、学生がその会社の仕事を理解していること。当たり前のことのようだが、本当に理解している人は少ない。なぜなら、仕事を表面的にしか見ていないからだ。
企業というのは、同じ業界でも、競合企業と戦い方が違うことが多い。企業は競争優位性を保つために、特徴を出す。その特徴が違えば、仕事に求められるものが違う。そのことまで理解している学生は少ない。
例えば、筆者は新卒でリクルートに入社したが、配属された新卒採用支援の事業部は当時、顧客に対して競合よりも圧倒的に高い価格を提示していた。競合よりも高い商品を売っていたのだ。その金額で契約を獲得するためには、顧客のために脳ミソが千切れるほど考え、社長に会って、自分なりの考えを伝えられなければならない。それは新卒社員であろうと関係ない。
高価格で獲得するために、高付加価値を出し続ける――。そのための仕事というのは、ある意味で過酷である。それは一体、どのような毎日を過ごすことなのか。入社前からそこの理解を持っていなければ、その仕事を理解したことにはならない。
同じく筆者が人事の執行役員をしていたファーストリテイリングで求められるものは、既存のアパレルや流通とはまったく違った。自社で企画し、発注した商品を売り切るビジネスモデルである「製造小売」を成立させるために、店長は全社の商品計画や在庫状況を理解し、自ら考えて自店の商売を作れなければならないのだ。
同社の柳井正氏は「独立自尊の商売人」を求めると言い続けてきたが、なぜそのような仕事内容が求められるのかを理解できなければ、入社後「こんなはずではなかった」と退社してしまうだろう。
また、大規模な防災システムの営業をしている人から聞いた話だが、その仕事では、1年のうちで購入の機運が高まるのは年に2回。3.11の東日本大震災を思い出す時期と9月1日の防災の日前後とのことだ。
その2つのターゲット日に向けて、半年や1年をかけて準備するのだ。無事に成約すればいいが、ダメだった時のショックは相当なものらしい。また翌日から半年単位の地道な営業活動が始まる。このように、1週間、1カ月、半年、1年をどのように過ごすのかにも、その会社ならではの視点による仕事理解がある。
誰とどんな話をするのか。もしも営業であれば、どれぐらいの金額の提案をして、どうやって成約まで持っていくのか。学生は、自分が仕事をしている日常をイメージできるまで、徹底的に調べてほしいし、企業側も徹底的に「事実」を伝えてほしい。
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