尖閣沖で日本の漁船を狙い始めた中国海警局
中国の海上法執行船が尖閣の領海に侵入するようになったのは、2008年12月からである。当時の中国側の指揮官はその目的を日本による実効支配を「打破」するためだと説明している。しかし、日本の施政権に実力で挑戦することは国連憲章をはじめとする国際法に反する行為であり、領海内での法執行が中国の領有権の主張を強化するわけでもない。中国が尖閣周辺に一方的に休漁期間を設定したことも、国際法上の根拠を欠いている。なにより、海警局の行動は、外国漁船の航行の安全を脅かすものである。
新型コロナウイルスの影響で、予定されていた習近平国家主席の国賓としての来日は延期となったが、日本政府は東シナ海での国際法に基づかない行動を改めることを中国との協議の中で強く求めるべきである。また、フィリピンやベトナムなど、南シナ海で同様の課題に直面している友好国などとも連携し、多国間の枠組みでも中国に対して毅然と向き合う必要がある。
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