コラム

米メタが「ファクトチェック」廃止...SNSの「ノーチェックでの」言論の自由は、何をもたらすか?

2025年01月10日(金)17時30分

今後はよりパーソナライズされたアプローチでより多くの政治的コンテンツを見たいと思う人々が見られるようにする。ファラージ氏が喝采を叫んだのは、主要メディアからの批判にさらされるポピュリストにとってソーシャルメディア(SNS)は最大の武器になるからだ。

メタは「言論抑制はどんなに良かれと思っても既存の制度や権力構造を強化することが多い」というメタ共同創業者マーク・ザッカーバーグ氏の信念に立ち返ったと強調するが、投稿チェックは「検閲」と批判するドナルド・トランプ次期米大統領にひれ伏したとみるのが自然だろう。

「これで移民について話すことも許される」

ファラージ氏は7日、Xに「言論の自由がフェイスブックに戻ってきた」と投稿し、動画で「素晴らしいニュースだ。ニック・クレッグ元英副首相がメタを辞めた。代わりに米総合格闘技団体UFCのダナ・ホワイト最高経営責任者(CEO)が入った」と大歓迎した。

「ザッカーバーグ氏は言論の自由の原点に戻ると声明を出した。これで移民について話すことも許される。アカウントをブロックしていた第三者のチェッカーは全員解雇された。Xが採るモデルに移行する。閉鎖や停止を恐れずにコンテンツを出せる」(ファラージ氏)

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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