コラム

メーガン妃とハリー王子、よくできたドラマのようなインタビュー?「彼は私を抱きしめてくれた」

2021年03月08日(月)21時49分
メーガン妃とハリー王子

オプラ・ウィンフリーのインタビューに答えるハリー王子とメーガン妃 Harpo Productions/Joe Pugliese/REUTERS

<ダイアナ妃のことで傷ついた王子をメーガンが救い、人種差別で傷ついたメーガンを王子が救い、2人は王室から解放された>

ハリー王子とメーガンさんのインタビューが終わった。

前半はメーガンさんだけ、後半はハリー王子が加わって二人のインタビューとなった。

おそらくもっとも問題となるのは、やはりメーガンさんが王室で人種差別と呼べるようなことがあったと発言したことだろう。

宮殿の役人に、子供には肩書きがないことを伝えられたという。

そして、「生まれた時に、肌の色がどのくらい濃いのかという懸念や会話があった」というのだ。

その会話は、家族がハリー王子とした会話だとメーガンさんは言った。つまり、王族の誰かが、生まれてくる子供の肌の色を問題にしたということになる。
司会者のオプラさんは「Whoa」と反応した。

そして、肩書きにはこだわりはないが、「私たちの息子が安全ではないという考えと、この家族の中で最初の有色人種のメンバーで、他の孫と同じようには称号を与えられないという考え」だと述べた

これは大爆弾になるかもしれない。一体誰がこのような発言をしたのか。メーガンさんも名前を言わないし、後半に登場したハリー王子も、司会者に誰かを聞かれたが「決して誰とも話したくない」と言って答えなかった。

そして、これはどのように英連邦王国や英連邦に影響を与えるのか。これら参加国は、ほとんどが旧大英帝国の植民地で、白人とは肌の色の異なる人々が住む地域なのだ。

参考記事:ハリー王子とメーガンさんは、インタビューで王室の人種差別に触れるのか。英連邦王国の危機?

平民の子だから肩書きがない?

ただ、子供に肩書きがないことについては、女王の他の孫でも、肩書きのない人たちはいる。女王の四番目の子どものエドワード王子は「平民」と結婚して、一女一男が生まれたが、子供たちには肩書きどころか、王女・王子の身分も、殿下の敬称もない。

「夫妻の意向」ということになっているが、今まで妻のソフィさんが冷遇されてきたことを思うと、どうだろうか。メーガンさんも平民だから子供に肩書きがないと考えるほうが、つじつまがあうだろう。

その後、ハリー王子が登場して、インタビューは二人になった。

夫妻は、家族に警備をつけてくれるよう王室に懇願したが、あっさり断られたという。

ハリー王子は、メーガンさんがいなければ、王室から身を引くことはできなかったという。「私は(システムに)囚われていたが(trapped)、囚われていたことを知らなかった」「それがメーガンさんに出会った瞬間、もっとも驚くあり方で二つの世界が衝突した」という。

プロフィール

今井佐緒里

フランス・パリ在住。追求するテーマは異文明の出合い、EUが変えゆく世界、平等と自由。社会・文化・国際関係等を中心に執筆。ソルボンヌ大学(Paris 3)大学院国際関係・ヨーロッパ研究学院修士号取得。日本EU学会、日仏政治学会会員。編著に「ニッポンの評判 世界17カ国最新レポート」(新潮社)、欧州の章編著に「世界が感嘆する日本人~海外メディアが報じた大震災後のニッポン」「世界で広がる脱原発」(宝島社)、連載「マリアンヌ時評」(フランス・ニュースダイジェスト)等。フランス政府組織で通訳。早稲田大学哲学科卒。出版社の編集者出身。 仏英語翻訳。ご連絡 saorit2010あっとhotmail.fr

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国GDP、第1四半期は前年比+5.4% 消費・生

ワールド

米テキサス州のはしか感染さらに増加、CDCが支援部

ワールド

米韓財務相、来週に貿易協議実施へ 米が提案

ワールド

WHO加盟国、パンデミック条約で合意 交渉3年余り
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気ではない」
  • 2
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ印がある」説が話題...「インディゴチルドレン?」
  • 3
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 4
    NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険…
  • 5
    【クイズ】世界で2番目に「話者の多い言語」は?
  • 6
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 7
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 8
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    そんなにむしって大丈夫? 昼寝中の猫から毛を「引…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 3
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 4
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 5
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 6
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 7
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 8
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story