コラム

19歳パレスチナ女性の未来を奪ったのは、イスラエルでなくハマスだった

2021年11月16日(火)18時16分

忘れてはならないのは、彼らに渡る支援金の一部は日本国民の税金だという事実だ。日本政府は1993年のオスロ合意以降、パレスチナに対し21億ドルを超える支援を行っている。日本が支援目標として掲げる「自立可能なパレスチナ国家建設」が全く実現されていないのは明らかだが、日本政府はパレスチナ指導部の腐敗について見て見ぬふりを決め込んでいる。

パレスチナ政策調査研究センターが10月に実施した世論調査では、西岸地区をパレスチナ自治政府が、ガザをハマスが支配している現状について「悪い」と回答した人が「よい」と回答した人を20ポイント以上上回った。人々にとっての優先事項は第1に西岸とガザの統一(29%)、第2に経済状況の改善(25%)、第3に汚職の撲滅(15%)だ。対イスラエルについても、和平合意を望む人が36%超と、武装闘争を望む人(34%)の割合を上回った。

パレスチナの指導者や世界のメディアが「全てはイスラエルのせい」といくら騒ごうと、パレスチナの人々は自分たちに本当の意味で手を差し伸べているのは誰なのか、という真実に気付き始めている。

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プロフィール

飯山 陽

(いいやま・あかり)イスラム思想研究者。麗澤大学客員教授。東京大学大学院人文社会系研究科単位取得退学。博士(東京大学)。主著に『イスラム教の論理』(新潮新書)、『中東問題再考』(扶桑社BOOKS新書)。

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