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国連の救済機関がテロを扇動している? 日本で報じられない闇とは
コロナ禍のなか、UNRWAの食糧が提供される(ガザ、2020年) AP/AFLO
<国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)には日本の税金も使われているが、数々の疑惑は知られていない>
日本政府は6月、「イスラエルとパレスチナ武装勢力間の衝突により大きな被害を受けたガザ地区」に1000万ドルの緊急無償資金協力を実施すると発表した。うち530万ドルは国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への割り当てが決まっているが、UNRWAにまつわる数々の疑惑は日本でほとんど知られていない。
5月末、UNRWAはガザで運営する学校の下でイスラム過激派組織ハマスのトンネルを発見したと発表した。2017年にもUNRWAは学校の下でトンネルを発見、15年に公表された国連の調査はハマスがUNRWAの学校を武器庫として利用していたと結論付けた。イスラエルの国連大使は、ハマスが子供を人間の盾として利用していると非難した。
ドイツのビルト紙は6月、UNRWAの学校で使用されている多くの教科書がパレスチナ解放闘争を「革命」や「ジハード」と呼び、マシンガンを持った5人の覆面男の写真が「パレスチナの革命家」というキャプション付きで掲載されていることを明らかにした。
ほかにも1978年に13人の子供を含むイスラエル人38人を殺害したテロ集団の1人であるパレスチナ人女性ダラル・ムグラビが女性のロールモデルとして何度も取り上げられていること、「ユダヤ人が繰り返し預言者ムハンマドを殺そうとしたこと」が議論のテーマとされるなど反ユダヤ主義の扇動が散見されること、多くの地図では国家としてのイスラエルが消し去られていることなどを伝え、EUがUNRWAに資金提供していることを問題視した。
17年にはジュネーブに拠点を置くNGO国連ウォッチが、UNRWAの学校の教師がテロや反ユダヤ主義を扇動している証拠を米議会で提示した。
UNRWAは運営する学校で「非暴力、健全なコミュニケーションスキル、平和的な紛争解決、人権、寛容、良き市民としての自覚を促進すること」を目指す人権教育を行っているとしている。憎悪をあおり暴力を奨励する教科書や教師は、明らかにこれに矛盾する。
職員3万人以上の巨大組織UNRWAは、権力の乱用や腐敗も指摘されている。
19年にはUNRWA倫理局の内部報告書をカタールの放送局アルジャジーラがリークし、UNRWA事務局長のピエール・クレへンビュールが恋仲となった職員のために「特別顧問」なるポストをつくり、職務中も彼女の部屋に入り浸り出張にも同行させていたなどと報じた。クレヘンビュールは疑惑を否定したものの後に辞任。同報告書はほかにも3人のUNRWA幹部による職権乱用や差別を告発している。
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