- HOME
- コラム
- イスラーム世界の現在形
- 日本で「ツタンカーメンのエンドウ」が広まった理由、…
日本で「ツタンカーメンのエンドウ」が広まった理由、調べました
英国では、この話は「ミイラのエンドウ」として知られ、19世紀後半にはエンドウの種子とともにヨーロッパ各地に広がっていった。また、まったく同じ経緯で発芽した「ミイラのコムギ」という話もあって、ともに世界のあちこちで売買され、栽培もされたらしい。
もちろん、学術的な研究ではまったく信用ならないとされている。話を広めたのがエジプト学の専門家ではなく、商売っ気たっぷりの園芸家であったことが一層話を怪しくしている(ちなみにグリムストーンはのち破産したそうな)。
関わっていたのは当時の園芸関係者だったらしい
ミイラのエンドウの話は20世紀初頭にはあまり話題にならなくなっており、突然、1930年代になって、今度は少し様相を変え、「ツタンカーメンのエンドウ」として再登場する。ハワード・カーターによるツタンカーメンの墓の発見が1922年なので、いまだ多くの人びとがツタンカーメンのことを記憶しているはずだ。
ちなみに、筆者が調べたかぎり、前述のグリムストーンの場合と同様、このときツタンカーメンのエンドウに関わっていたのも、もっぱら園芸関係者であった。したがって、園芸業者が種子を売るのに、既存のミイラのエンドウの話を、カーターとツタンカーメンの逸話を結びつけることで、より魅力的に、いかにもそれらしくアレンジした可能性が高いのではないだろうか。
ただ、1930年代はまだカーターが存命だったので、カーターがツタンカーメンの墓から発見した種子を誰かにあげたという筋立てはさすがに出てこない。
しかし、1939年にカーターが死んだのちには、たとえば、米国の場合、カーターからメトロポリタン美術館館長だったロバート・デフォレストが直接種子を譲り受け、デフォレストはさらに友人にその種をプレゼントし、それが発芽したといった話が突如湧いてでる。
また、デンマーク人の教授が、カーターが墓を発見したときに見つかったエンドウをスウェーデンにもっていったら、そこで発芽したというバージョンもある。もし、本当にツタンカーメンの墓から出土したエンドウの種子が発芽したのであれば、学術的にももう少し大騒ぎになっていいはずだが、そうした報道や学術的な著作は見つけられなかった。
日本に入ってきたのは1956年、読売新聞そして朝日新聞が...
英国や米国では、日本ほど熱狂的にツタンカーメンのエンドウを栽培している人は少ないようだが、両国版のAmazonでも、「ツタンカーメンのエンドウ」はちゃんと購入できる。しかし、さすがに、ツタンカーメンの墓から発見された云々を全面的に押し出しているものはなかった。
ではなぜ日本でツタンカーメンのエンドウがこんなに普及したのだろうか。ツタンカーメンのエンドウが日本に入ってきた年ははっきりしている。1957年5月21日付の読売新聞で、「世界友の会」という組織に属していた水戸の高校生が米国にサクラとイチョウの種を贈ったお礼に、米国のイレーヌ・ファンスワース夫人からエンドウの種子20粒をもらって、それが発芽したという記事があった。
トランプを信用していないが対米関係も重視...サウジ「全方位外交」の狙い 2025.05.09
アントニオ猪木、歴史に埋もれたイラクでの「発言」 2022.11.14
研究者の死後、蔵書はどう処分されるのか──の、3つの後日談 2022.07.28
中東専門家が見た東京五輪、イスラエルvsイスラーム諸国 2021.08.16
日本人が知らない、社会問題を笑い飛ばすサウジの過激番組『ターシュ・マー・ターシュ』 2021.06.02
トルコ宗務庁がトルコの有名なお土産「ナザール・ボンジュウ」を許されないとした理由 2021.02.25
-
プロダクトエンジニア「ポテンシャル採用/大手や外資系など3000社に導入/HR SaaS「ミキワメ」/web系SE・PG/東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅から徒歩2分/東京都
株式会社リーディングマーク
- 東京都
- 年収400万円~550万円
- 正社員
-
採用プロジェクトオペレーター 未経験可 「大手・外資系企業の採用支援/フレックス×リモート」
株式会社トライアンフ
- 東京都
- 月給20万2,200円~
- 正社員
-
労務 給与計算・社会保険手続き 外資系企業で働く/フレックス勤務/週2~3回のリモート勤務OK
VISTRA Japan株式会社
- 東京都
- 年収400万円~850万円
- 正社員
-
法人ソリューション営業/業界未経験OK/外資ベンチャー企業
株式会社ユースペース
- 東京都
- 年収450万円~600万円
- 正社員






