コラム

【人生相談】「母娘関係に正解はある?」1人が好きな娘にやきもきしてます

2020年01月25日(土)11時00分

PHOTO ILLUSTRATION BY SLATE. PHOTO BY GETTY IMAGES PLUS

<もっと楽しい時間を過ごせるはずなのにチャンスをふいにしているのではないか、と心配でたまりません──。小説家ミシェル・ハーマンの考える「親子」とは>

Q:15歳の娘のことです。学校では友達も多くて、クラブ活動にも参加しています。でも、学校や地域のイベント以外の時間はめったに友達と遊びません。楽器を演奏したり、家族や犬と過ごしたりして、家にいることが多いのです。友達を家に招いたり、一緒にショッピングや映画に出掛けたりしたいとも思わないそうです。自分が社交的なタイプでないことをはっきり自覚していて、学校だけで人付き合いのエネルギーを使い果たしてしまうので、エネルギーを充塡するために1人の時間が欲しいのだと言っています。

私はそんな娘を見ていると、もっと楽しい時間を過ごすチャンスをふいにしているのではないかと心配でたまりません。しかし、相談は娘についてではありません。私のことです。どうすれば、娘のことでやきもきし過ぎず、娘が賢くて、幸せな日々を生きていることに満足できるようになるのでしょう。

── 友達いっぱいママ

A:私が子育てに関して受けたなかで最良のアドバイスは、「そうしたいのはあなた? それとも子供自身?」と自分に問い掛けよ、というものです。

あなたは、この問いの答えをもうご存じですね。お嬢さんは、自分がチャンスをふいにしているなんて思っていません。あなたがいま改めて確認すべきなのは、お嬢さんとあなたは別々の人間だということです。お嬢さんに何が必要かは、あなたが決めることではありません。

不安が込み上げてきたときは、お嬢さんをよく観察しましょう。楽しそうにギターを弾き、犬と遊ぶ姿を見てみてください。お嬢さんはもう15歳です。友達と遊びたいなら、親に言われなくても自分で計画するでしょう。

大丈夫、あなただけではありません。子供が自分の一部ではなく、別の人格の持ち主だと思える親はほとんどいません。親が子供の自我を認めるのは、簡単ではないのです。

── ミシェル・ハーマン(小説家)

©2020 The Slate Group

<本誌2020年1月14日号掲載>

▼あわせて読む
【人生相談】私はゲイ「ハンサムないとこと一線を越えそうです」
【人生相談】娘の服装が「セクシー過ぎ」だといけないの?(夫は反対するけど)

20200128issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年1月28日号(1月21日発売)は「CIAが読み解くイラン危機」特集。危機の根源は米ソの冷戦構造と米主導のクーデター。衝突を運命づけられた両国と中東の未来は? 元CIA工作員が歴史と戦略から読み解きます。

プロフィール

スレート誌人生相談員

育児や家庭生活から人間関係、セックスまで、誰にも言えないあらゆる悩みに米作家やライターが答えます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエルがガザ空爆、48時間で120人殺害 パレ

ワールド

大統領への「殺し屋雇った」、フィリピン副大統領発言

ワールド

米農務長官にロリンズ氏、保守系シンクタンク所長

ワールド

COP29、年3000億ドルの途上国支援で合意 不
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 8
    「何も見えない」...大雨の日に飛行機を着陸させる「…
  • 9
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 10
    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 7
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story