ニュース速報
ワールド

シンガポール、米関税で需要ショック予想 負の乗数効果

2025年04月28日(月)14時56分

 4月28日、シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)はマクロ経済レビューで、米国の関税措置には乗数効果があり「シンガポール経済に広範な負の所得・需要ショックを引き起こす」と表明した。シンガポールで2013年撮影(2025年 ロイター/Edgar Su)

[シンガポール 28日 ロイター] - シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)は28日公表したマクロ経済レビューで、米国の関税措置には乗数効果があり「シンガポール経済に広範な負の所得・需要ショックを引き起こす」と表明した。

相互関税の基本税率10%が対米輸出に直接的な影響を及ぼすほか、他国に対する関税で間接的な影響も生じると指摘。関税は生産者や輸出業者に対する生産税であり、企業業績に影響を及ぼし、国内の総需要を抑制することになると述べた。

MASによると、昨年の同国の対米輸出は輸出全体の11%を占めており、うち約55%に10%の基本税率が適用されるとみられる。鉄鋼、アルミニウム、自動車・自動車部品など、特定品目関税の対象になるのは輸出全体の5%前後。

一方、現在関税が免除されている半導体、民生用電子機器、医薬品などは、対米輸出の約40%を占める。「数カ月以内にこうした品目に関税が適用される可能性がある」としている。

シンガポールのガン・キムヨン貿易産業相兼副首相は、医薬品の輸出を巡り米国と交渉していることを明らかにした。同時に、米市場からの高性能AI(人工知能)半導体へのアクセスの確保も模索しているという。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

貿易戦争、ユーロ圏の成長とインフレ抑制も=ECBチ

ワールド

韓国最高裁、李在明氏に5月1日に判決 公選法違反の

ワールド

パキスタン、インドの水資源協定停止に法的措置を準備

ワールド

スペイン・ポルトガルの大規模停電、ほぼ全域で電力復
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 3
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 4
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    トランプの中国叩きは必ず行き詰まる...中国が握る半…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【クイズ】米俳優が激白した、バットマンを演じる上…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 6
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 7
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 8
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中