米、船舶輸送の温室効果ガス削減目指す国連協議から離脱

4月9日、米政府は国連の国際海事機関(IMO、本部ロンドン)で今週開かれている海洋環境保護委員会(MEPC)の協議から離脱した。オークランド港で3月撮影(2025年 ロイター)
[ロンドン 9日 ロイター] - 米政府は国連の国際海事機関(IMO、本部ロンドン)で今週開かれている海洋環境保護委員会(MEPC)の協議から離脱した。MEPCは、船舶輸送による温室効果ガス(GHG)排出量を2050年までに実質ゼロにすることを目指している。米政府が各国大使に送った声明文で明らかになった。
米国務省の報道官は9日、IMOにおける協議に米国が加わらないことを確認した。「いかなる国際的な取り決めにおいても」米国の利益を最優先することがトランプ米政権の方針だと付け加えた。
欧州連合(EU)などがIMOに提出した当初の提案は、船舶輸送によるGHG排出に対して初めて課金する措置を盛り込み、世界的な合意を目指している。
声明文は「米国は船舶輸送に基づくGHG排出や燃料の選択に対して経済的措置を講じるいかなる取り組みも拒否する」と表明。「こうした理由で、米国は4月7─11日に開かれるIMOのMEPC会合の協議には加わらず、各国政府に対し、現在検討されているGHG排出に関する提案への支持を見直すよう求める」とした。
IMOの報道官は9日、IMO加盟国176カ国のうち何カ国が声明文を受け取ったかは明らかではないと話した。