マレーシア、米関税の影響は限定的 経済は多様化=中銀総裁

4月9日 マレーシア中央銀行のラシード総裁は9日、米国の関税が経済成長に逆風となる可能性があるが、これまでの政策措置により影響を緩和できるとの見解を示した。写真はマレーシア中央銀行の建物で、2023年5月にクアラルンプールで撮影(2025年 ロイター/Hasnoor Hussain)
[クアラルンプール 9日 ロイター] - マレーシア中央銀行のラシード総裁は9日、米国の関税が経済成長に逆風となる可能性があるが、これまでの政策措置により影響を緩和できるとの見解を示した。ブルームバーグ・テレビのインタビューで述べた。
同国の輸出は24%の関税の影響を受ける可能性があるものの、経済は多様化しており、サービス部門が国内総生産(GDP)の60%を占めていると指摘した。
2024年の成長率は、力強い内需、記録的な投資承認件数、堅調な輸出に支えられて5.1%となった。政府は今年の成長率を4.5─5.5%と予想しているが、米国の関税導入を受けて見直しを進めている。
ただラシード氏は、状況が流動的なため中銀は予想の変更を急いでいないとした上で、経済を強化し、通貨リンギを支えるため政府が構造改革に取り組むことが重要だと述べた。
米国の関税発表以降、新興国通貨は下落圧力にさらされており、リンギは9日、対ドルで2カ月ぶりの安値を付けた。
ラシード氏は、中銀は今後もリンギ相場のボラティリティーが続くと予想しており、過度な変動を抑制する用意があると述べた。