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韓国政府が自動車業界向け緊急支援策、トランプ関税の打撃軽減目指す

2025年04月09日(水)12時22分

4月9日、韓国政府は自動車業界向けの緊急支援策を発表した。写真は平沢の港で待機する輸出用の乗用車。2日撮影(2025年 ロイター/Kim Hong-Ji)

Jihoon Lee Heekyong Yang

[ソウル 9日 ロイター] - 韓国政府は9日、国内自動車業界向けの緊急支援策を発表した。トランプ米大統領が発動した輸入自動車関税による打撃を和らげる狙いだ。近年、韓国から米国への自動車輸出は急増している。

今回の支援策には、自動車メーカーへの今年の流動性対応として従来計画していた13兆ウォンを15兆ウォン(101億8000万ドル)に拡大することや、今年6月まで自動車購入にかかる税率の5%から3.5%への引き下げ措置が盛り込まれた。

また電気自動車(EV)に関しては、値引き分への助成比率が現行の20─40%から30─80%に高まり、適用期間も年末まで半年間延長される。

さらに韓国政府は米国との交渉と二国間協力関係の強化を通じて、他の同盟国と比べて不利な待遇を受けないようにする努力を続けると約束し、自動車需要が伸び続けているアフリカや中南米、アジアなどの新興・途上国「グローバルサウス」での市場開拓を積極的に後押しするとしている。

政府は、国内の自動車・自動車部品メーカーに米国の自動車関税が「著しい」打撃をもたらすだろうと説明。ただ現時点で損害の具体的な数値化は難しいと付け加えた。

自動車業界は支援策を歓迎したが、国内販売を促進する追加の優遇税制についてさらに議論が必要だと主張。ある業界関係者は匿名を条件に「自動車業界では、これだけで十分なのかという懸念が強い」と述べた。

現代自動車は先週、現行モデルの価格を今後2カ月間は据え置く方針を表明。先月には米国に210億ドルを投資する計画を発表している。同社のホセ・ムニョス共同最高経営責任者(CEO)は米国で値上げする計画はないと述べた。

ロイター
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