韓国輸出、3月は3％増でも関税リスクで見通し暗く 鉄鋼は大幅減

　４月１日、韓国税関当局が発表した貿易統計（速報値）によると、３月の輸出は前年同月比３．１％増加したが、市場予想（３．５％）ほどは伸びなかった。写真は韓国ピョンテクの港で２０２０年７月撮影（２０２５　ロイター／Kim Hong-Ji）

Cynthia Kim　Jihoon Lee

[ソウル １日 ロイター] - 韓国税関当局が１日発表した貿易統計（速報値）によると、３月の輸出は前年同月比３．１％増加したが、市場予想（３．５％）ほどは伸びなかった。増加は２カ月連続。

トランプ米政権の関税発動に伴う世界的な貿易戦争で製造業の先行き不透明感が高まり、見通しは暗い。

品目別では、半導体の輸出が１１．９％増と、ここ３カ月で最大の伸びだった。自動車は１．２％増、ハイブリッド車の販売増が電気自動車（ＥＶ）の落ち込みを相殺した。

鉄鋼製品は１０．６％減少し、２０２４年６月以来最大の落ち込みとなった。韓国は、先月から鉄鋼製品に２５％の関税を課している米国への第４位の鉄鋼輸出国。

ハナ証券のエコノミスト、チョン・ギュヨン氏は「米国向けで相互関税と自動車関税がかかる４月以降、輸出は減少が予想される」と指摘。「半導体の輸出では前倒しがあるかもしれないが、ハイエンド製品ではまだ難しい。また、自動車メーカーが関税のために価格を引き上げるという話もある」と語った。

輸出先別では、米国向けは２．３％増加したが、中国向けは４．１％減少。欧州連合（ＥＵ）向けは船舶の販売が好調で９．８％増、東南アジア向けは９．１％増だった。

３月の輸入は２．３％増。貿易収支は４９億９０００万ドルの黒字となった。