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トランプ政権、米政府と契約の仏企業に多様性プログラム禁止要求

2025年03月31日(月)11時33分

 3月29日、トランプ政権は米政府と契約を結んでいる一部のフランス企業に対し、DEI(多様性・公平性・包摂性)プログラムを禁止する大統領令に従うよう求めており、米国の政策が国外にも適用され、欧州企業の慣行に影響を及ぼす可能性がある。写真はトランプ米大統領。ワシントンで27日撮影(2025 ロイター/Evelyn Hockstein)

Mathieu Rosemain John Irish

[パリ 29日 ロイター] - トランプ政権は米政府と契約を結んでいる一部のフランス企業に対し、DEI(多様性・公平性・包摂性)プログラムを禁止する大統領令に従うよう求めており、米国の政策が国外にも適用され、欧州企業の慣行に影響を及ぼす可能性がある。

企業は「適用される連邦差別禁止法の順守に関する証明」と題された質問票で順守状況を確認するよう指示を受けている。ロイターは質問票のコピーを閲覧した。

仏経済紙レゼコーによると、質問票はパリの米国大使館から企業に送られた。

仏紙フィガロがウェブサイトで公開した書簡は「トランプ大統領が署名した、違法な差別をなくし実力に基づく機会を回復する大統領令14173号は、国籍や事業を展開する国を問わず、米政府の全てのサプライヤーとサービスプロバイダーに適用される」と指摘。

ロイターが閲覧した質問票に関して、5日以内に英語で記入・署名し返信するよう要請。署名に同意しない場合は詳細な理由を示すようにも求め、法務当局に転送するとしている。

大使館の報道官はコメント要請に応じなかった。

フランス対外貿易省は「フランス企業の包摂政策への米国の干渉は、不当な関税の脅しとともに受け入れられない」とロイターに述べた。

同様の書簡や質問票が他の欧州諸国の企業にも送られたかどうかは現時点で明らかではない。

ロイター
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