欧州市民のEU支持が過去最高の74%、安全保障強化を評価=調査

3月25日、 欧州市民の間で欧州連合(EU)への支持が過去最高に上ったことが公表されたユーロバロメーターの調査で明らかになった。ブリュッセルの欧州委員会本部で2016年4月撮影(2025年 ロイター/Francois Lenoir)
[ブリュッセル 25日 ロイター] - 欧州市民の間で欧州連合(EU)への支持が過去最高に上ったことが、25日に公表されたユーロバロメーターの調査で明らかになった。
調査は1月と2月にEU加盟27カ国の全てで2万6354人との面談で実施。自国がEU加盟の恩恵を享受していると考える人が全体の74%と、この質問を開始した1983年以降で最も高くなった。
欧州では近年、ロシアがウクライナの次にEU加盟国へ侵攻するのではないかとの懸念や、トランプ米政権の下で北大西洋条約機構(NATO)を通じた米国による欧州防衛の先行きが不確実になったとの見方が広がっている。
このためユーロバロメーターによると、EU加盟をメリットと受け止める主な理由も変化。「平和維持と安全保障強化」を挙げた向きが昨年夏から3ポイント増えて35%と第1位になった一方「加盟各国との協力関係改善」は34%で2ポイント低下した。
欧州市民にとって最大の懸念は引き続き経済状況だった。向こう5年で生活水準が悪化すると予想したのは33%と昨年半ばから7ポイント増加し、43%がEUに物価対策へ力を注いでほしいと強く要望している。
欧州企業が中国勢や米国勢との厳しい競争に直面していることもあり、EUの産業競争力に不安を感じると答えた人は約33%と過去1年で5ポイント増加した。