ロ外相「黒海合意は世界の食糧安保のため」、停戦楽観論とは距離

3月26日、ロシアのラブロフ外相は黒海の安全な航行確保で米国と合意したことについて、世界の食糧安全保障のために穀物・肥料市場にロシアが戻ることなどを目的としていると表明した。写真は黒海を警備するウクライナ警備隊の船。2024年2月撮影(2025年 ロイター/Thomas Peter)
[26日 ロイター] - ロシアのラブロフ外相は黒海の安全な航行確保で米国と合意したことについて、世界の食糧安全保障のために穀物・肥料市場にロシアが戻ることなどを目的としていると説明した。国営テレビ「チャンネル1」が25日夜に伝えた。
ラブロフ氏は「われわれは穀物と肥料の市場が予測可能であり、誰もわれわれを除外することがないよう望んでいる」と表明。「公正な競争の中で正当な利益を得たいというだけではなく、アフリカやグローバルサウス(新興国・途上国)の国々の食糧安全保障の状況を懸念しているからだ」と述べた。
停戦がすぐに実現する可能性があると述べた米国のウィットコフ中東担当特使の楽観論について、ウクライナ側に立つ欧州諸国を考慮していないと指摘。「彼(ウィットコフ氏)は欧州諸国のエリートをかなり過大評価している。エリートらは(ウクライナ大統領の)ゼレンスキーが『屈服』するのを許さないために『首の周りに石のようにぶら下がる』ことを望んでいる」とし、「ゼレンスキー自身も『屈服』を望んでいない」と語った。
また、相互関係の修復を望むトランプ米大統領とその側近を賞賛。2大核保有国間の意見の相違が対立にエスカレートすることを許さないという点で米国とコンセンサスを得ていると述べた。
ただ、米国との取引に警戒を怠らないとも表明。「『信頼せよ、されど検証せよ』─。これは(元米大統領の)レーガンの偉大な戒めだ」と指摘し、「われわれはそれを忘れない」とした。