インド、米国からの輸入品55%の関税引き下げる用意=政府筋

インド政府は米国との貿易協定の第1段階として、米国からの輸入品の55%について、税率を引き下げる用意があることを政府筋2人が明らかにした。ハイデラバードで撮影(2025年 ロイター/Krishnendu Halder)
Sarita Chaganti Singh Aftab Ahmed Manoj Kumar
[ニューデリー 25日 ロイター] - インド政府は米国との貿易協定の第1段階として、米国からの輸入品の55%について、税率を引き下げる用意があることを政府筋2人が明らかにした。
現在5─30%の関税が課されており、過去数年で最大の関税引き下げにより米国の相互関税発動を回避する狙いがある。
政府筋の一人は、米製品への関税を「大幅に」引き下げるか、一部を完全に撤廃する用意があると述べた。
別の政府高官は、食肉、トウモロコシ、小麦、日用品は関税引き下げの対象外だが、アーモンド、ピスタチオ、オートミール、キヌアについては引き下げられる可能性があると明らかにした。
実質的に100%以上となっている自動車関税も段階的引き下げられる見込みとした。
世界貿易機関(WTO)のデータによると、米国の貿易加重平均関税は2.2%、インドは12%となっている。米国は456億ドルの対印貿易赤字を抱えている。
モディ首相が2月に訪米した際、両国は早期の貿易協定締結を目指し、関税を巡る対立の解消に向けて交渉を開始することで合意した。インド政府は4月2日に予定される相互関税の発表前に交渉をまとめたい考え。
インド政府筋は、米国からの輸入品の55%に対する関税引き下げは、米国が相互課税を軽減するかどうか次第だと指摘した。
政府筋の一人は、関税引き下げの決定は最終的なものではないと述べた。広範な引き下げではなく、分野別や製品別に交渉を進めるなど、他の選択肢も検討していると明らかにした。
また、関税の一律引き下げを視野に入れた広範な関税改革を検討しているものの、議論は初期段階にあり、米国との協議で早期に取り上げられない可能性があるとの見方を示した。
政府筋は相互関税で、対米輸出の87%相当が影響を受けるとする内部分析の結果を明らかにした。
真珠、鉱物性燃料、機械、ボイラー、電気機器など、対米輸出の半分を占める品目について、相互関税により関税が6─10%上昇することが見込まれるという。
110億ドル規模の医薬品と自動車の輸出は、米市場への依存度が高いため、相互関税によって最も大きな打撃を受ける可能性があると述べた。